ここでは「ご訪問いたしかねます」の使い方やその際の注意点、言い替え表現などを詳しく見ていきます。
「ご訪問いたしかねます」とは?
「ご訪問いたしかねます」は、行くことはできないとその相手に伝えるための表現です。
「いたしかねます」はそうとはできませんという意味で使われる謙譲表現になり、「訪問」はどこかを訪れることです。
これらの言葉を組み合わせて、行くことはできないといった解釈で使われる表現となっており、謙譲表現を使っていることから、丁寧にそう伝えているために使われます。
平たく言えば「行かない」と表現できてしまう内容ですが、それを相手に失礼になることなく、ビジネス向けにしたものだと考えていいでしょう。
ビジネスシーン以外でも使うことができますが、仰々しくなってしまう懸念があるため、よほどの場合でないと用いるべきではありません。
最初の「ご」はつけなくても構わず、どちらでも間違いではありませんが、つけた方が多少丁寧さが上るのでこのままの形で使う方がいいでしょう。
「ご訪問いたしかねます」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
この「ご訪問いたしかねます」は、この前にどうして行かないのかといった理由を添えて使います。
「その日は生憎ながら他の予定が入っておりまして、ご訪問いたしかねます」などといった具合になりますが、ここまで丁寧にせず「ご訪問できかねます」とした方が自然な場合も多いので、文章の流れによって使い分けるといいでしょう。
使う相手にもよりますが、上の例では年配の人が相手でない場合はそちらにしても問題ありません。
文章で使われる表現のため、口語で使うことはなく、そちらの場合は「訪問は難しいです」などと少し砕いた形の方が合っています。
よって、文章ならではの行くことができないと下からとても丁寧に伝えることができる表現だと考えておきましょう。
「ご訪問いたしかねます」を使った例文
・『大変申し訳ありませんが、先約がございましてその日はご訪問いたしかねます』
・『色々と繰り合わせたのですが、どうしても都合がつかず、当日はご訪問いたしかねます』
「ご訪問いたしかねます」の類語や言い替え
・『お伺いいたしかねます』
この「お伺い」もどこかに行くこととして使う言葉のため、こちらにしても意味は一緒です。
こちらも丁寧な表現なため、どちらを選んでもあまり変わることはありませんが、こちらの方が仰々しさがなく、一般的な断りの表現として使われています。
尚、この「お伺いいたしかねます」は、(その要望は)聞くことができませんといった意味でも使うことができるため、相手に使われた場合、文脈でそのどちらなのかを判断する必要があります。
まとめ
「ご訪問いたしかねます」は、行くことはできないと伝えるために使う表現です。
とても丁寧な形なので、ここまでは必要がないと思った場合には類似表現で挙げたものや、「~できかねます」などどいう違う形を使うことを考えてみてください。