ビジネスシーンでは、相手を優先しておくことが物事を円滑に進める上で重要なポイントとなる傾向が見られます。
「ご希望の時間」というフレーズもまた、そのようなケースで用いられるものであり、これより解説いたします。
「ご希望の時間」とは?
「希望」とは、言うまでもなく「望むこと」や「そうなって欲しいと期待すること」です。
接頭辞「ご」は、この場合は相手の「希望」ですので、尊敬表現として機能しています。
一方「時間」はこの場合、特定の「時」や「時間帯」という意味での使用になっています。
よって、「ご希望の時間」とは、「相手が希望する日時」という意味になるのです。
「ご希望の時間」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
自分もしくは身内と相手が一緒に何かする際、相手が「特定の時間や時間帯にしたい」という考えがある場合に用います。
同時に、その時間を既に知っている場合と、相手の考えに希望の時間自体があるかどうかわからない場合の2通りのケースが考えられるでしょう。
前者であれば、「残念ながらご希望の時間は取れません」のような使用が考えられ、後者であれば「ご希望の時間はありますでしょうか」のような疑問形の使い方になります。
基本的に相手の希望を優先するという文脈の中で使用されるフレーズですので、希望の時間を取れない場合には明確な理由と、簡潔で良いのでその説明が必要です。
「ご希望の時間」を使った例文
それでは、他に考えられる使用例を挙げてみましょう。
・『申し訳ございませんが、ご希望の時間には別の約束が入っております』
・『ご希望の時間には丁度空きがございます』
・『ご希望の時間をお教えください』
「ご希望の時間」の言い替え
「相手が望む時」という意味のフレーズが言い替えになります。
・「ご要望の時間」
「要望」は「希望」より強く、具体的な「望み」とされています。
・「ご意向の時間」
「意向」「いこう」は、「したいこと」や「そうなって欲しいこと」という意志を伴った考えですが、弱い「希望」という意味で解釈されることもあります。
・「ご都合の良い時間」
「都合」は、「スケジュール的に空きがある」という意味で使われます。
「希望」というよりは、「可能」の意図が強いものの、このケースでは相手の都合が優先ですので、ほぼ同じ意味と考えられるでしょう。
まとめ
「ご希望の時間」とは、相手が自分もしくは自分側と関係することで何かする際の、「その日時にしたい」という希望に対して用いるフレーズです。
望む日時や時間帯そのものが相手にあるかわからない場合に、「ご希望の時間はございますでしょうか」や「ご希望の時間はありますでしょうか」という形で、希望の有無自体を尋ねることがよくあります。