ここでは「ご引見」の使い方やその際の注意点、言い替え表現などを詳しく見ていきます。
「ご引見」とは?
「ご引見」は、国王や大統領など、国家主席やそれに相当する立場の人間が自分より身分の低い相手と謁見することを表現する言葉です。
日本では天皇、皇后両陛下がそれを行うことを指して使われることが多いですが、その意味から転じてビジネスシーンでも用いられる場合があります。
それは、役職の高い相手と面会するような時で、そういった相手に会う方が謙譲の意から「ご引見いただきたく、お願い申し上げます」のように使うことができます。
元は先のように、一国を率いるような錚々たる顔ぶれに対して用いられる表現なだけに、かなり下から相手を立てて使うことになるため、表現としてとても重いものとなっています。
よって、ビジネスでは他社のかなり立場の高い人などと直接お会いしたいといったような時でもないと使うべきではありません。
「ご引見」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
この「ご引見」は、口語で使うシーンはまずなく、主に文章で用いられる表現です。
前述のようにかなり重い表現になるため、むやみに使うと反って失礼になってしまうことがあるので注意が必要です。
それは、いかにも仰々しく聞こえる表現なだけに、使われた相手が(自分にそのような国家主席級の言葉を使ってくるのは)馬鹿していると思ってしまうことがあるからです。
そのため、ここまでの表現を使うのはよほどの相手でないと推奨されず、多少立場がある人だという程度では使わない方が無難です。
ビジネスではどのような相手であっても、普通に「ご面会いただきたく~」などと使えば失礼になることはまずなく、本当に特別な相手でないとこの「ご引見」とは用いないと考えてください。
「ご引見」を使った例文
・『そちらの件につきまして、貴社の社長にご引見いただきたいと考えております』
・『その際には○○様にご引見たまわることができれば幸いです』
「ご引見」の類語や言い替え
・『ご接見』
こちらもかなりの立場にある人と面会をすることとして用いられる言葉です。
ビジネスシーンでは「ご引見」と似た使い方をすることができますが、そちらほど重い表現ではないため、比較的用いやすくなっています。
ですが、「面会」と比べると重く聞こえる表現のため、あまり気軽に使うものでもありません。
まとめ
「ご引見」は、ビジネスシーンでは他社の立場の高い人間と面会をするという意味で用いられています。
自社の人間に使うことはなく、とても重い表現になるため、滅多なことでは用いないものだと覚えておきましょう。