ビジネスにおいては、人脈づくりも重要な仕事の1つです。
「ご紹介いただきたく」もまた、そのような時に使うフレーズですが、意味や使い方について詳しく解説したいと思います。
「ご紹介いただきたく」とは?
「ご紹介」は「人と人の間を中に入ってつなぐこと」という意味の「紹介」に、丁寧表現を意味する接頭辞の「ご」が付いたものです。
一方、「いただきたく」ですが、「もらう」の謙譲語である「いただく」に「たい」という希望を意味する助動詞が付いて、全体として「いただきたく」となったものです。
「していただき(たく)」の方がなんとなくしっくりくる人も多いかと思いますが、「ご」に「元が漢語の動作を表す名詞」が付いた場合、直後に「いただく」を付けて「〜してもらう」という意味になる正式表現なので問題ありません。
尚、「していただき(たく)」を使うことも可能ですが注意が必要です。
「紹介してもらう」の「主語」は発言者や発信者ですので、自分の行為に「ご」を付けることはできません。
つまり、「紹介していただきたく」ならば問題ありませんが、「ご紹介していただきたく」は間違いということです。
それを踏まえた上で話を元に戻すと、このようなことから、「ご紹介いただきたく」とは「紹介してもらいたい」という意味の謙譲表現になっているのです。
「ご紹介いただきたく」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
ビジネスでは人脈が重要な武器となりますので、このフレーズは頻発しますが、人にモノを頼む以上はできる限り丁重な表現にするべきです。
まして、相手が知らない人物を紹介することで、紹介される人に迷惑をかける危険性もありますから、紹介する側はかなりリスクを負うことにもなります。
そこにどれだけ配慮できるかは、依頼する側の重要なポイントです。
「ご紹介いただきたく」というフレーズが、「紹介してほしい」を丁重な謙譲表現にしていることまではおわかりだと思いますが、この後に続くであろう「〜と思う」に該当する敬語表現にも注意が必要になります。
要望を意味する「〜(して欲しい)と思う」の謙譲語である「存じる」に、丁寧表現の「ます」を付けた「存じます」が基本的に正しい敬語表現となります。
「ご紹介いただきたく」を使った例文
それでは、実際の使用例を挙げてみましょう。
・『先日の会合でご同席されていた◯◯様を、是非ご紹介いただきたく存じます』
・『先方の担当者をご紹介いただきたく存じますが、不都合な点はございませんでしょうか』
「ご紹介いただきたく」の類語を使った言いかえ
「ご紹介」に該当する類語としては、動詞「紹介する」の類語である「引き合わせる」の使用がキーポイントとなります。
実は、丁寧表現を意味する接頭辞の「お」に「日本語由来動詞の連用形」と「いただく」が付くと、先に説明した「ご」に漢語由来の動作名詞と「いただく」が付くのと同じ表現になるのです。
つまり、「ご紹介いただきたく」は、「お引き合わせいただきたく」でほぼ同じ意味の表現となりますから、これが言いかえ表現のベストな形式となります。
また、既に触れた「紹介していただきたく」も、当然言いかえとして可能です。
まとめ
「ご紹介いただきたく」は、相手に知り合いを紹介してもらいたいときに用いるフレーズです。
また、「ご紹介していただきたく」は間違いですが、「紹介していただきたく」は「ご紹介いただきたく」とほぼ同じ意味となります。