ビジネスでは相手に迷惑をかけてしまうことがあります。
そのような場合に使う表現も多く、「しのびないのですが」もその一例と言えますので、これより解説いたします。
「しのびないのですが」とは?
「しのびない」は漢字も用いると「忍びない」となります。
「忍ぶ」は「耐える」や「我慢する」という意味です。
よって、その名詞として機能する「しのび」が「ない」のが「しのびない」であるため、「耐えられない」や「我慢できない」という意味になります。
つまり、「しのびないのですが」全体で、「我慢出来ませんが」や「耐え難いのですが」という直訳です。
更にもう一歩進めて意味を考えると、「相手に迷惑をかけてしまうことに対して、責任を感じて耐えられない」という意味になります。
「しのびないのですが」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
このフレーズがビジネスシーンで使われるのは、相手に迷惑を掛けてしまう場合です。
より具体的には、概ね「依頼」の場面と考えて良いでしょう。
具体例を出すと、相手に明日連絡して欲しい場合に、「大変しのびないのですが、明日連絡していただけないでしょうか」といった形での使用があり得ます。
尚、同じ依頼の場面で用いる「申し訳ないのですが」という表現と比較すると、「相手に対する謝罪の意識の有無」が違いとして挙げられるようです。
ただ、相手に対して迷惑をかけることが「自分にとって耐え難いこと」だとすれば、根底には相手に申し訳ないという気持ちがあると考えられ、明確に両者が違うと言い切ることは難しいのが現実です。
「しのびないのですが」を使った例文
それでは、このフレーズを用いた他の表現を挙げてみましょう。
・『お忙しいところ実にしのびないのですが、スケジュールの再調整をお願いしたく存じます』
・『突然のお願いでしのびないのですが、必要書類を明日中にご送付いただけますでしょうか』
「しのびないのですが」の言い替え
言い替え表現が成立するためには、相手に迷惑をかけることで、自分の精神に負担がかかるという意味合いを別の形で表現する必要があります。
・「心苦しいのですが」
「胸が痛む」という意味がある「心苦しい」で代用します。
・「ご迷惑をおかけしますが」
そのまま、相手に迷惑をかけてしまうことを率直に伝える表現です。
「迷惑」の代わりに「面倒」「めんどう」でも問題ありません。
まとめ
「しのびないのですが」とは、相手に迷惑をかけてしまうことで、責任を感じて耐えられないという意味合いのあるフレーズです。
ビジネスでは、主に依頼表現の中で使われやすいフレーズと言えます。