簡単な日本語ほど、その使用方法に戸惑うことがあります。
「ぜひ一度」の正しい使い方と注意点を見ていきましょう。
「ぜひ一度」とは?
この場合の「ぜひ」は、相手の背中を押す明るい言い方です。
「一度」は「一回でいいので」と、ハードルを下げる意味合いがあります。
やってみようか迷っている人の背中を押す、誘い文句のひとつといえるでしょう。
「ぜひ一度」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
「ぜひ一度」は聞いている方の、気持ちに火をともす言い方です。
「ぜひ一度、チャレンジしてみてください」と言われると「一度くらいなら、試してみようかな」と気楽に思えます。
「ぜひ一度〜してください」は決まり文句のひとつとなっているので、新商品や新サービスのキャッチコピーを作成する時に用いてみましょう。
一方で「ぜひ」は「是非」とあらわし、強めの訴えをあらわします。
例えば「ぜひ一度、遊びに来てください」とすると、遊びに来ることを強制されているような、おかしな文になります。
不特定多数のお客様に呼びかけとして用いる分には良いものの、個人的なやり取りでは高圧的に聞こえます。
目上の方に「ぜひ」を使うのは失礼とする考えもあるので、使用には気を付けておきましょう。
「ぜひ一度」を使った例文
・『ぜひ一度、こちらの地場野菜をお召し上がりください』
・『ぜひ一度、サロンにお越しください』
「ぜひ一度」の類語や言い替え
同じような表現に「ぜひに及ばず」があります。
「是非に及ばず」と漢字であらわすことが多く、名将の織田信長が最期にのこした言葉といわれています。
追い込まれた時の苦しい気持ち、そして何とかその壁を乗り越えようとする強い気概、両方の心意気がふくまれています。
「ぜひ一度」とは趣が異なる言い方ですが、社会人の教養として学んでおきましょう。
このほか「よろしければ」や「ご都合のよろしい時に」が言い替えの表現として挙げられます。
ゆとりある言い方なので、切羽詰まった窮屈さが消えて優しい物言いになっています。
覚えておきましょう。
まとめ
「ぜひ一度」をお伝えしました。
それぞれの表現を学んで、敬語の達人を目指していきましょう。