一般的には、動詞には肯定と否定の両方の表現があり得ますが、ほとんどが否定の形で用いられる表現も存在しています。
「そぐわなかった」もその一例であり、これより解説いたします。
「そぐわなかった」とは?
このフレーズは、動詞「そぐう」の未然形「そぐわ」に、否定の助動詞「ない」の連用形「なかっ」、過去や完了の助動詞「た」が付いた形です。
動詞「そぐう」には「(よく)似合う」や「ふさわしい」または「(よく)釣り合う」という意味があります。
しかしながら、この「そぐう」は、通常時否定形で用いられることに注意が必要です。
つまり、「そぐわない」や「そぐわぬ」という否定の助動詞を伴った形で使用され、「ふさわしくない」や「(似)合わない」という内容を表します。
今回のフレーズでは、更に過去もしくは完了の形で使用されているため、「ふさわしくなかった」や「(似)合わなかった」という意味です。
「そぐわなかった」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
ビジネスで「そぐわなかった」が使用される場合は、まず物事や状態が別の物事や状態に合わなかった時が考えられます。
更に、それをかしこまった形で表現する必要がある時に、「そぐわなかった」というフレーズが使われるのです。
具体的には、「古くからある主力商品は、現在の顧客層にはそぐわなかった」といった使用があり得、これは「昔からの主力商品が、現在の顧客からは人気がなかった」ということを意味しています。
「そぐわなかった」を使った例文
それでは、上記以外に考えられる使用例を挙げてみましょう。
・『そのルールは、現代の若者の気風にはそぐわなかった』
・『そのプランは、当社の希望にはそぐわなかった』
・『社長の考え方は、株主の考え方にそぐわなかった』
「そぐわなかった」の言い替え
「ふさわしくない」や「合わない」という意味を出せるかが言い替えのポイントです。
・「不相応」
「ふそうおう」と読み、「ふさわしくないこと」や「不釣り合い」を意味します。
・「不適切」
「不適切」には「ふさわしくないこと」という意味がありますので、代用可能です。
・「適さない」
「適さない」は「てきさない」と読み、「ふさわしくない状態」を表します。
まとめ
「そぐわなかった」とは「(似)合わなかった」や「ふさわしくなかった」という意味のフレーズです。
「そぐう」は通常「そぐわない」という否定形で用いられます。