ビジネスに限らず、強調するための表現技法は多岐にわたります。
「そのもの」もそのような場合に使用される表現の1つであり、これより解説いたします。
「そのもの」とは?
「そのもの」は、大まかな理解としては「今話題になっている事柄や物事」もしくは「今問題になっている事柄や物事」を意味し、代名詞的に強調の働きをする言葉です。
また、事柄や物事を何かに例え、その例えに合致していることを強調するために使用することもあります。
一般的には名詞や形容動詞の語幹(つまり活用変化しない部分のこと)の直後に付きますが、形容動詞の語幹の直後に付く場合には、当然「代名詞」的用法ではなく、単なる強調の働きをします。
「そのもの」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
ビジネスにおいても、一般的な使用と同様、強調のために用います。
わかりづらいので具体的な使用例で説明してみましょう。
例えば、企業の成長にとって必要である最大の要素が人材であると強調して言いたい場合、「企業の成長にとって欠かせないのは人材そのものです」のように用います。
また、売上が足りないことが最大の課題であることを強調したい場合には、「売上額の不足そのものが、当社における最大のウィークポイントです」といった形での使用があり得るでしょう。
「そのもの」を使った例文
それでは、このフレーズの他に考えられる使用例を挙げてみましょう
・『その車のトップスピードは、電光石火という表現そのものだ』
・『熟練工の技術は、建設業界にとって宝そのものと言える』
「そのもの」の言い替え
基本的には、代名詞的に強調する「そのもの」と似たような表現で代用可能です。
・「自体」
「〜自体」で、「そのもの」と似たような意味になります。
例えば「食糧そのものが足りない」は「食糧自体が足りない」と言い替えられます。
・「〜以外のなにものでもない」
「そのもの」をややかしこまった形で表現したフレーズです。
例えば、「彼の肉体は岩そのものだ」は、「彼の肉体は岩以外のなにものでもない」と言い替え出来ます。
こちらのフレーズの場合は、叙述的な部分に使われる名詞の強調のために使われます。
まとめ
「そのもの」とは、名詞や形容動詞の語幹の直後に付き、その言葉を強調したり、「自体」と同じ働きをする言葉です。