ここでは「なかったことにしてください」の使い方やその際の注意点、言い替え表現などを詳しく見ていきます。
「なかったことにしてください」とは?
「なかったことにしてください」は、何かを取り消したい時に使われる表現です。
「先の件はなかったことにしてください」のように使うことができ、それを取り消してくださいという意味で用いられます。
主に約束の類いを取り消したいと思って使うもので、自分から言い出したことに対し、約束とまでいかないうちにやっぱりやめるという使い方をすることもできます。
どちらの場合もこのように使われた側からすれば、ガッカリしたり、それはないだろうなどと思ってしまうことが多いですが、場合によってはそれでよかったということもあるので必ずしも悪いことを伝えるための表現でもありません。
そのいい例が、本当は乗り気がなかった約束に対してこのように使われたといった場合で、そのような時にはそれでよかったと思いながらも、相手が少なからず悪かったというニュアンスでこのように使っているため、あまり(それでよかったと)態度には出さないものです。
「なかったことにしてください」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
この「なかったことにしてください」は、前述のように多少なりとも悪いと思って使うことになる表現のため、文章の場合はともかく、口語で相手に直接伝える時にはイントネーションに注意が必要です。
もちろんですが、明るく話すのは論外で、いかにも申し訳なさそうな語り口で伝えるのが礼儀になります。
また、なかったことにしたい内容によっては相手がすんなりとそれを受け入れてくれるとも限りません。
また、会社同士の約束となるような大きな内容ともなると、この一言で簡単になかったことにできる訳もなく、使う際にはそのような点についても注意してください。
使われた側がそれでよかった(なくなってよかった)と思ったケースを除き、その後の両者の関係の悪化に繋がってしまう可能性もあるだけに、この表現は意味はとても簡単ながら、軽々しくは使えない表現です。
「なかったことにしてください」を使った例文
・『2日後のお約束ですが、申し訳ありませんがなかったことにしてください』
・『先日のこちらからの提案ですが、一度なかったことにしてください』
「なかったことにしてください」の類語や言い替え
・『一旦取り消させて下さい』
「なかったことにしてください」ではぶっきらぼうに聞こえることもあるため、ビジネスシーンにはこちらの方が合っています。
相手に伝わる意味は一緒ながら、表現として少し堅くしたことで、見た目からもビジネス向けとなっています。
まとめ
「なかったことにしてください」は、何かを取り消したいと考えて使う表現です。
一方的な通達になるため、聞いてもらえるとは限りませんが、はっきりとそうしたいと伝えることができます。