日常生活において、「ひとかたならぬご厚情を賜り」という言い回しを見かけることは少ないと思います。
この言い回しの意味と使い方を解説していきます。
「ひとかたならぬご厚情を賜り」の意味とは
まず言葉の意味について解説していきます。
まずは「ひとかたならぬ」。
この言葉には、普通ではない様、という意味があります。
「ご厚情」は深い情けや思いやりがあること、を意味する『厚情』を丁寧にしたものです。
『賜り』はもらうの謙譲語で、目上の人から何かをいただくという意味の言葉です。
つまりこの言い回しは、普通ではない深い思いやりをいただき、という意味なのです。
目上の方になにか気を遣っていただいた場合に使われることの多い言い回しです。
実際の使い方とは
この言い回しが最も多く使われる場面が年賀状です。
年賀状を書く際、『去年はお世話になりました』という一文を添えた経験のある方は多いでしょう。
しかしビジネス関係で年賀状を送るとなると、会社の部長や取引先の方にはもう少し丁寧な言葉を添える必要があります。
そういった場合に使われるのがこの言い回しです。
実際の例文としては、「昨年はひとかたならぬご厚情を賜り、心より御礼申し上げます」というように使われます。
これは年賀状以外で新年の挨拶として使うことも可能です。
それ以外の場面だと、例えば家族が病気になり自分も仕事を休まなくてはいけなくなったとします。
会社の部長はそれを案じ、お見舞いの品を届けてくれました。
無事会社に復帰できるようになった報告の際にこの言い回しが使えます。
「療養中はひとかたならぬご厚情を賜り、誠にありがとうございました」という形です。
これならば心配してくれてありがとうございます、という思いを相手に伝えられます。
この言い回しはかなり丁寧で固い表現です。
そのため頻繁に使えるようなものではありません。
使う場面と相手をよく考えるようにしましょう。
「ひとかたならぬご厚情を賜り」の言い換え
この言い回しはかなり固い表現であると説明しました。
それでは目上の人にお世話になった場合、どのような言い換えがあるのでしょうか。
例えば仕事を進めるにあたり困っていたら、上司の方が手を貸してくれたとします。
そういう場合に『お力添えをいただき、ありがとうございました』が使われます。
かなり場面が限定される言い回しではありますが、力を貸してくれてありがとうございます、とお礼の気持ちを伝えられます。
また例えば子供が熱を出してしまい、上司の方が早退を勧めてくれた場合には『ご配慮いただきありがとうございます』と言い換えることもできます。
これらも丁寧な言い方ではありますが、固すぎない表現です。
まとめ
固すぎる表現は場合によっては相手を変に緊張させてしまう可能性があります。
状況と相手を見極めて使うようにしましょう。