ビジネスシーンでは、強い決意ややる気をフォーマルな形で表明する場面があります。
「万難を排して」もそのような場面で用いられるフレーズと言え、これより解説いたします。
「万難を排して」とは?
「万難」は「ばんなん」と読みます。
「万」はこの場合「数や量が大変多い」という意味で用いられており、「難」は「困難」の意味ですから、「万難」で「あらゆる困難」となります。
「拝する」とは「排除して」や「押しのけて」という意味であり、フレーズ全体を通すと「どんな困難も押しのけて」という意味になります。
よって、「強い決意を表す」ことを目的としているのです。
尚、このフレーズの後には、「〜する」という内容が概ね続きますが、本フレーズ自体がかなりかしこまった表現ですので、後に続く内容も堅めの敬語表現や文語調の表現が続くことになります。
「万難を排して」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
ビジネスシーンでこのフレーズが使われる場合、フォーマルな会合や式典などの挨拶内において、決意表明に用いられるものと考えましょう。
例えば、競合店が多い地区に新しい店舗の開店を計画し、それを役員会議で発表する場面を考えてみましょう。
「我々は万難を排して、新店舗を何としてでも軌道に乗せることに注力しなくてはなりません」といった形で使用するわけです。
口頭だけでなく当然文章中でも使用されますが、いずれにせよかなり重要な決定などに伴って使われる表現であると考えるべきです。
「万難を排して」を使った例文
それでは、他に考えられる使用例を挙げてみましょう。
・『万難を排して経営危機を乗り切る必要がある』
・『万難を排して進む覚悟であります』
「万難を排して」の言い替え
「どんな困難でもやり切る」という意味合いを出した上で、かしこまった表現に出来るかが、言い替えの成否を握ります。
・「幾多の困難にも負けず」
「万難」を「数多い」という意味の「幾多」「いくた」を用いた「幾多の困難」で代用しています。
・「是が非でも」
「何が何でも」という意味の「是非とも」「ぜひとも」を更にかしこまった形にした表現パターンです。
まとめ
「万難を排して」とは、「あらゆる困難を押しのけて」という意味のフレーズで、強い決意表明をフォーマルな場面で行う場合に用います。