季節ごとに特有の挨拶のフレーズ、いわゆる「時候の挨拶」というものが存在しており、ビジネスシーンではよく活用されています。
「三伏の候」もその一例であり、これより解説したいと思います。
「三伏の候」とは?
「三伏」は「さんぷく」と読みます。
まず一般的には聞くことがないフレーズかとは思います。
古代中国の「陰陽五行説」「いんようごぎょうせつ」と呼ばれる思想に基づいた言葉であり、かなり難しい成立過程を経た言葉ですので詳細は省きますが、「夏の暑い日」を意味しています。
具体的には、7月中旬から8月上旬頃に用いられる言葉です。
また「候」は「時季」という意味であり、「三伏の候」で、「夏の暑さもピークを迎える季節となりました」というような意味になります。
通常、メールや手紙の冒頭における季節の挨拶として用いられます。
「三伏の候」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
ビジネスシーンでも、夏の暑い時期の挨拶に用いられます。
具体的には、ビジネスメールや暑中見舞いの手紙の冒頭に「拝啓 三伏の候、貴社におかれましてはますますご発展のことと存じます」のように用います。
ただし、かなりかしこまった、且つ古めかしい表現であり、相手が意味を理解出来ないことも想定され、相手をかなり選ぶ表現と言えます。
教養があると思われるか、あるいは難解な表現を用いて知識をひけらかしていると思われるか、両極端の印象を与える可能性があることに注意しましょう。
「三伏の候」を使った例文
それでは実際の使用例を挙げてみましょう。
・『拝啓 三伏の候、皆様におかれましてはますますご清祥のことと存じます』
・『拝啓 三伏の候、ご健勝のことと拝察します』
「三伏の候」の言い替え
「夏の暑い盛りの季節の挨拶」で言い換えます。
・「暑中お見舞申し上げます」
定番の夏の挨拶です。
・「猛暑の折」
「折」「おり」とは、「時期」という意味です。
・「暑さ厳しい中」
こちらはシンプルな言い替えです。
まとめ
「三伏の候」とは、7月中旬から8月上旬に使用する夏の挨拶です。
季節の挨拶の中でもかなり難解なものであるため、使用する相手を選ぶフレーズです。