ビジネスにおけるかしこまった表現は数多くありますが、「主たる」もその1つと言えます。
これよりこの「主たる」について解説いたします。
「主たる」とは?
「主たる」は「しゅたる」と読みます。
本来は「主」に、断定の助動詞「たり」の連体形「たる」が付いた形で、現在は一語の連体修飾語としての扱いです。
当然この後には名詞や名詞的扱いの活用語が続きます。
「主である」という本来の訳より、「主な」という意味のかしこまった形として現在では使用されています。
「主たる」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
ビジネスでこの言葉が使われる場合は、基本的にフォーマルな文書内での表現としての使用になります。
口頭でも使用されるケースはあり得ますが、その場合には「主な」が使用されるケースが大半ですので、会話での使用はあまり考えなくて良いでしょう。
既に説明した通り、「主な〜」という意味ですので、「主たる」の後には名詞(的用法)が必ず来ます。
具体的には、「当社の主たる売上は日用品が占める」のように使用します。
また、「日本の主たる輸出産業は自動車産業である」といった解説的な表現での使用も目立ちます。
「主たる」を使った例文
それでは、上記以外に考えられる使用例を挙げてみましょう。
・『業績不振の主たる原因は怠慢にある』
・『会議で出た主たる意見は、撤退するべきというものだった』
「主たる」の言い替え
「主な」という意味合いの表現で言い替えます。
・「主要な」
「しゅような」と読み、意味は「主な」と一緒です。
・「中心となる」
「根幹の」のような意味の他に「主な」という意味でも使用されます。
・「メインの」
カジュアルな形で、「主な」の意味で使用される傾向が見られます。
まとめ
「主たる」とは、「主である」という意味の「主たり」の連体形「主たる」が、単独の連体修飾語として使われて、「主に」という意味の言葉となったものです。
「主に」のかしこまった形として、文書内の表現として使用される傾向があります。