感謝しなくてはならない場面は、ビジネスシーンでは多く見られます。
「何とお礼を申し上げてよいか言葉もありません」もその1つの例と言え、これより詳しく解説いたします。
「何とお礼を申し上げてよいか言葉もありません」とは?
まず、「何と」は「なんと」と読み、「どうやって」や「どのように」という意味です。
「申し上げる」は「言う」の謙譲語であり、「申す」より更に強めの謙譲表現ですから、「何とお礼を申し上げてよいか」とは、「どのようにお礼を言ったら良いのか」という意味の謙譲表現となります。
さて、「言葉もありません」の部分の意味は、「表現するような言葉がない」というのが直訳ですが、これは「感謝の気持ちを表現する言葉が思いつかないぐらい感謝している」という意味ですから注意が必要です。
以上のことから、このフレーズは、「どのようにお礼を言ったらいいのかわからないほど感謝しています」という内容の謙譲表現となります。
「何とお礼を申し上げてよいか言葉もありません」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
かなり強い感謝を伝えるのに使用されるフレーズで、文中でも会話中でもビジネスシーンではかなりよく使われるフレーズです。
例えば、急遽必要になった商品をすぐ送ってくれた取引先の担当者に対し、「この度は急なお願いにもかかわらず、商品をすぐにご送付いただき、何とお礼を申し上げてよいか言葉もありません」と言った形で感謝の思いを伝えることができます。
割と使用されやすい表現ではあるものの、大したことでもないのにこの表現を使うと、白々しい印象を与えかねないので、深く感謝する必要がない時には使わない方が無難です。
「何とお礼を申し上げてよいか言葉もありません」を使った例文
それでは、他に考えられる使用例を挙げてみましょう。
・『これまでの様々なご協力に対し、何とお礼を申し上げてよいか言葉もありません』
・『新入社員時代にお世話いただいたことにつきまして、何とお礼を申し上げてよいか言葉もありません』
「何とお礼を申し上げてよいか言葉もありません」の言い替え
このフレーズで伝えたいキーポイントは、「お礼の言葉も思い浮かばないほど、とても感謝している」ということでしょう。
よって、その意味合いを出せる感謝のフレーズが言い替え表現の候補となります。
似たような表現でシンプルに伝えるなら「感謝の言葉もありません」や「感謝の言葉も思い浮かびません」がまず考えられます。
また、逆に「感謝の言葉しかありません」も、全く同じ意味で使用できますので、注意が必要であると共に言い替えとして使用可能です。
他には、「感謝してもしきれません」や「感謝の思いをお伝えする術も見当たりません」なども、強い感謝を表す表現です。
まとめ
「何とお礼を申し上げてよいか言葉もありません」とは、「感謝の思いをどのような言葉で伝えたら良いのかわからない」というほど、強い感謝を表す謙譲表現です。
また、「感謝の言葉しかありません」という逆の表現でも、「感謝の言葉以外思い浮かばない」という意味で、このフレーズと同じ意味合いになりますので、注意が必要です。