「入札をお控えください」とは?
ビジネスにおけるメールや会話での使い方や例文を徹底した解釈で以下に詳しく説明します。
「入札をお控えください」とは?
「入札」とは物品の売買や工事の請負などに際して購入希望者や契約希望者が複数ある場合に購入価格や見積金額を書いて発注することをいいます。
これにより、一般的には購入希望価格の場合は最高価格、見積金額の場合は最低価格を提示した者が落札します。
「お控えください」は度を超さない程度に数量などを抑えること、または自制や配慮してやめておくことの意である「控える」に接頭辞の「お」と丁寧語の「ください」が付いた敬語表現です。
よってこのフレーズは「(オークションなどの)入札への参加はやめてください」という意味になります。
「お控え」という表現だと、ちょっとぐらいはやってもいいと捉えがちですが、この言葉が意味するところは「やってはいけないことです」「絶対にやらないでください」という強い意味合いが含まれています。
「入札をお控えください」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
このフレーズを日常生活においてよく見るのはネットオークションを利用しているシーンでしょう。
出品者が落札者とのトラブルを未然に防ぎたいために注意事項や依頼事項として記載することが多くあります。
例えば、「気になる方はお控えください」「神経質な方はお控えください」との記載があります。
オークションに出品する商品には新品だけではなく中古品も多く取り扱われていますが、特に中古品の出品時に使用具合や傷、汚れ具合などを記載します。
この時に記載する程度の認識が相手側と食い違うことが多々ありますので、「細かいことにうるさい人は入札しないで」という気持ちで書かれる場合が多いのでしょう。
このフレーズは相手とトラブルになった場合、入札者の抗弁材料としてのリスク回避策の意味合いが強いものです。
ただし本来、オークションでの入札は自由であるべきで入札制限することはこの趣旨に反しています。
一方、入札を控える行為はネットオークション上での黙示のマナーのような一面もあります。
どちらが正しいとか間違いとか単純には言えないところですが、お互いにコミュニケーションをよく取って進めることが肝要でしょう。
「入札をお控えください」を使った例文
・『気になる方は入札をお控えください』
・『神経質な方は入札をお控えください』
・『○○様専用です。入札をお控えください』
「入札をお控えください」の類語や言い替え
このフレーズに類似した言葉や言い替えの一例を紹介します。
・『入札をご遠慮ください』
「ご遠慮」と「お控え」は意味合い的にはほぼ同じですが、「止めて欲しい」という気持ちが強い言葉は「ご遠慮」の方です。
これは「遠慮」の元は漢語で、「控え」の元が和語であるためです。
漢語がストレートな物言いなのに対して、和語は大和言葉とも言われるように婉曲な表現のため、同じ意味合いの言葉でも和語の方が柔らかい印象を与えるためです。
まとめ
このフレーズは近年、ネットオークションの入札時によく表示される言葉ですが、ルール上、入札制限を強制するものではありません。
出品者によるトラブル回避の目的のために行なわれることが多いようですが、出品者・落札者お互いにこれは規定のルールではないことを認識の上、出品者に対するマナーも考えて配慮することも大人の対応でしょう。