ビジネスにおいては、スピード感の有無は極めて重要なポイントです。
特に発注したり依頼したりした場合に、すぐに対応してもらえれば、相手への印象は良くなります。
今回は、このような場合に使用される、「即座に対応していただきまして」というフレーズについて解説いたします。
「即座に対応していただきまして」とは?
「即座に」は、「すぐに」や「時間を置かずに」という意味です。
また「対応」は、「状況に応じて何らかの(適切な)振る舞いをすること」です。
一方で、「していただきまして」の部分については、文法的な分析が必要になります。
「する」の連用形「し」に接続助詞の「て」が付き、「〜してもらう」という意味の謙譲語「いただく」の連用形「いただき」、丁寧表現の助動詞「ます」の連用形「まし」、そして最後にまた接続助詞の「て」が順に付く形です。
以上のことから、このフレーズ全体の内容は、「すぐに適切な行動をしてもらって」という意味を、謙譲表現と丁寧表現で表したものとなります。
「即座に対応していただきまして」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
例えば、突然会社のコピー機が故障してしまい、急遽コピー機のメンテナンス会社に出張修理を依頼した場合を考えてみましょう。
コピー機が使用できないと業務に影響が出ますが、すぐに訪問修理で来て、時間もかからず直った場合に、「即座に対応していただきまして、ありがとうございました」などと、相手に伝えます。
また、客から急ぎで欲しい商品があると言われたものの手元に在庫がない場合、メーカーに直接に送るように求め、その日のうちに直接届けてくれた場合にも、「即座に対応していただきまして、お客様の期待に応えることができます」と相手に感謝します。
「即座に対応していただきまして」を使った例文
それでは、上記の他に考えられる例文を挙げてみましょう。
・『即座に対応していただきまして、お陰様で納期に間に合いました』
・『即座に対応していただきまして、心より感謝申し上げます』
「即座に対応していただきまして」の類語による言いかえ
「即座に」は、既出の「すぐに」や「時間を置かずに」で代用可能です。
もちろん「急いで」でも問題ありません。
一方「対応」については、「具体的にしてもらった行為」で言いかえることもあり得ますが、「対応」同様に総合的な表現となると、「対処」による言いかえが考えられます。
また、「応じる」を使用しても文意は変わりません。
「していただきまして」の部分は、「してくださいまして」という、尊敬表現による言いかえが可能です。
「していただく」が「してもらう」という、自分がしてもらうことに着目した謙譲表現ならば、「してくださる」は目上の相手が「してくれる」ことに着目した尊敬表現であり、敬語の程度を含め等しく言いかえられます。
以上を踏まえたフレーズ全体の言いかえとしては、「すぐに対処してくださいまして」や「急いで応じてくださいまして」となります。
尚、本来であれば「くださりまして」ですが、発音しやすいように「くださいまして」という、いわゆる「イ音便変化」していることに注意してください。
まとめ
「即座に対応していただきまして」とは、何らかの依頼を相手にして、それにすぐに応じてくれたことに感謝する意図のあるフレーズです。