プライベートであれビジネスであれ、健康を害する人は周りにいるものです。
「安静に」という言葉もまた、そのような場合に頻出する表現ですが、この意味や使い方についてこれより解説していきたいと思います。
「安静に」とは?
「安静」は「あんせい」と読み、ストレートな意味は読んで字のごとく、「静かにゆっくりとした状態」や「安らかで落ち着いた状態」のことです。
通常は、「病気や怪我などで、体を動かさずに休んでいる状態」や「体を完全に休めて治療(療養)に専念している状態」を指すことが多くなっています。
「安静に」で、「体を動かさずにゆっくりと休んで」や「ゆっくりと休んで治療に専念して」という意味になります。
直接的に表現されてはいませんが、「ゆっくりと休んで、その結果体調を回復してもらいたい」という思いが込められている表現です。
「安静に」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
ビジネスで「安静に」という表現が使われる場面は、一般的な場合と同様、相手が病気や怪我で仕事を休んでいるようなケースが通例です。
口頭でも文中でもお見舞いの表現として使えます。
ただ、一般的に「安静に」という言葉は、医療関係者が患者に「指示」として発する場合が多く見られ、やや「上から目線」的な意味合いが強い言葉という印象があります。
そのため、取引先の担当者や上司には、誤解を避けるため使用しない方が良いかもしれません。
同時に、単に「安静に」というだけでなく、「安静になさってください」という敬語表現の形にすべきでしょう。
「安静に」を使った例文
実際に「安静に」という言葉が使われる例を挙げてみましょう。
・『突然の入院の知らせに驚いております。安静にお過ごしください』
・『会社を休まれているとうかがいました。どうか安静になさってください』
2番目の文章の「どうか」は「どうぞ」でもほぼ同じ意味です。
「安静に」の類語を使った言いかえ表現
「安静に」のように、体調を気遣う表現は多数あります。
例えば「お大事に」「おだいじに」は代表的な表現の1つです。
「安静に」を単独で使う場面は、お見舞いの言葉としてはあまり考えられませんが、「お大事に」はこれだけでも使うことがあります。
ただし、このままだと「安静に」ほどではありませんが「上から目線」的な表現となってしまうため、通常は親しい同僚相手、特に後輩などに限定して使うべきです。
その他の相手に使う場合には「お大事になさってください」という敬語表現の方が良いでしょう。
他にも、「静養」「せいよう」を用いた「ご静養なさってください」や「養生」「ようじょう」を用いた「ご養生なさってください」という表現がよく使われます。
更に、「労る」「いたわる」を使って「お労りください」という表現もたまに見かけます。
また、「自愛」「じあい」を用いて「ご自愛なさってください」という使い方も考えられますが、どちらかといえば、体調が悪くなる前に体調に注意するという意味合いが強く、「安静に」の代用としては適切でないかもしれません。
まとめ
「安静に」は、相手の体調を気遣い「静かに体を休めて」という意味の表現です。
医療関係者が患者に指示する場合にも使われる表現ですので、必ず「安静になさってください」のような敬語表現として使いましょう。