「家族共々」という表現は敬語として正しいのでしょうか?詳しく見てみましょう。
「家族共々」とは?
「家族共々」は、「家族」と「共々」に分けられます。
「家族」とは、「家」によって結ばれたつながりのある人のことで、基本的には「同じ家に住んで生活している夫婦や親子、祖父母など」を指します。
「共々」は、「ともども」と読み、「一緒に、ともに」という意味で、2人以上の人が同じ行動をとる時に使います。
「家族共々」は、その後ろに続く文が表す行動や状態を、自分だけでなく家族も一緒に、という意味です。
「家族共々、よろしくお願いいたします」のように使います。
「家族共々」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
では、「家族共々」はどう使うのが正しいのでしょうか。
「共々」は複数の人が「一緒に同じ行動をする」や「同じような状態である」という意味を持ちますが、自分を含めた自分側の人(家族や社内の人など)をへりくだって表現する言葉です。
社外の人、目上の人側の人のことを指す言葉としては使わないものです。
たとえば、「○○様共々、ぜひお越しくださいませ」といった使い方は間違いです。
ビジネスシーンにおいて使う場面としては、年賀状などの挨拶状があります。
年賀状においては、家族同士で付き合いがある相手に対して「今年も家族共々よろしくお願いします」などと使用します。
なお、電話など口頭で相手に挨拶をするときにも使え、メールや手紙などの文書にも使える便利な表現です。
「家族共々」を使った例文
・『家族共々、皆さまにおいてはますますお元気でお過ごしのことと、お喜び申し上げます』
・『家族共々、○○様のご健康をお祈り申し上げます』
・『家族共々、昨年も大変お世話になりました。本年もよろしくお願いいたします』
「家族共々」の類語や言い替え
では、「家族共々」を別の言葉で言い換えるならばどのようなものがあるのでしょうか。
「家族共々」の代わりに「家族全員」や「一家全員」、「家族一同」などが言い替えに使えます。
「一同」は「共々」と似た意味を持ちますが、「社員一同」「従業員一同」など香典や祝儀を送る際や、文書において何らかの意思表示をする際など、関係する人をまとめて表現する際に使用されます。
このような時には「社員共々」といった表現は使いません。
まとめ
「家族共々」は、手紙や文書、メール、または口頭で伝える際にも使える便利な言葉です。
後ろに続く文の内容を、自分と自分の家族が同じような状態にある、また同じ行動をするという時の表現です。
自分側の人をへりくだって言う表現なので、相手側の人を表すことはできません。
例えば年賀状では「家族共々、よろしくお願いいたします」といったフレーズを使用します。