テレビコマーシャルなどでよく見るフレーズに「当社比」というものがあります。
わかっているようで案外わかっていない言葉とも言え、今回はこの「当社比」にクローズアップしてみたいと思います。
「当社比」とは?
「当社」とは「自社」という意味です。
「比」は「比較」の「比」ですから、「当社比」は、そのまま取ると「当社の比較」という意味になります。
ただ、単に「当社の比較」というだけでなく、新しい製品や商品が出た際に、「当社の同種類の製品(商品)との比較」あるいは「当社の旧タイプの製品(商品)との比較」という意味で使われていることが圧倒的に多くなっています。
「当社比」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
コマーシャルや製品のピーアールの中で、新製品や新商品の「質の高さ」をアピールするため、自社内の製品比較が行われることがよくあります。
そして、その優位性を数値として証明する際に、「比較基準」の明示という役割がこの言葉にはあります。
「何故自社間での比較なのか」という点については、日本では他社製品や商品との比較コマーシャルは慣習的に「やりづらい」ということがあるようで、自社内での比較でその優位性をアピールするという手法が取られる傾向があると言われています。
また、具体的に景品表示法のような法律による表示制限も影響しています。
いずれにせよ、「当社比」は自社の他製品の評判を「下げる」危険性もあるため、多くの場合、バージョンアップした新製品や新商品と、その登場により扱われなくなった旧製品や旧商品との比較という形で行われます。
「当社比」を使った例文
・『当社比20パーセント増量中』
・『当社比有効成分濃度30パーセントアップ』
「当社比」の類語による言いかえ
「当社内の比較」という意味合いのある表現全般が言いかえとして機能します。
具体的には、「当社調べ」や「当社同製品比較」などが挙げられるでしょう。
まとめ
「当社比」とは、「当社内の比較」、より具体的には「当社の同種類製品間での比較」という意味があります。
法律や慣習的に、他社製品や商品との比較表現において難しい点があるため、このような表現や比較がなされるのです。