相手への配慮はビジネスシーンで欠かすことは出来ません。
「心中お察しいたします」はその配慮が詰まった表現であり、これより解説いたします。
「心中お察しいたします」とは?
「心中」とはこの場合「しんちゅう」と読み、意味は文字通り「心の中に抱いていること」や「思っていること」です。
「お察し」は、動詞「察する」の連用形による名詞的使用(連体形とは別の用法)である「察し」に、謙譲表現を表す接頭辞「お」が付いた形です。
一方、「お〜いたします」という、謙譲表現と丁寧表現の合体パターンが用いられていますので、直訳すれば「心の中に抱いていることについては、推測しています」という内容になります。
より自然な表現に訳せば「胸の内で思っていることについては、私でも何となくですがわかります」という意味です。
「心中お察しいたします」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
相手になんらかの不幸や災難があった場合に、相手に寄り添う気持ちを伝えるために用います。
ですから、相手が喜んでいるようなことが推測される場面には用いず、相手が悲しんでいる場面や落ち込んでいる場面に使用します。
「この度は思いもしない災害に見舞われ、心中お察しいたします」のような使用が一般的です。
「心中お察しいたします」を使った例文
それでは、他に考えられる使用例を具体的に以下に挙げてみましょう。
・『お身内にご不幸があったと伺い、心中お察しいたします』
・『息子さんがお怪我なさったと知り、心中お察しいたします』
「心中お察しいたします」の言い替え
相手への同情を表すことが出来る表現が言い替え表現になります。
・「胸中拝察します」
心中は「胸中」「きょうちゅう」や「胸の内」と言い替えられますし、「お察しいたします」については「拝察します」で言い替えられますので、この形での言い替え表現となります。
・「お気持ちいかばかりかと思います」
「感情」を「お気持ち」と言い替え、「どれほど辛い気持ちかと推測する」という表現にするため、「いかばかりかと思います」という形にしています。
・「ご心労がおありかと思います」
悲しみや辛さの感情を、強い心配や苦悩を意味する「心労」「しんろう」で言い替えています。
その上で、「心労があると思う」を丁寧な表現にした形です。
まとめ
「心中お察しいたします」とは、相手の辛い気持ちや哀しい気持ちに配慮して、同情していることを伝えるためのフレーズです。