ビジネスでは、挨拶に季節を感じさせるフレーズや表現を入れるのがある種のマナーとなっています。
「春を待ちわびつつ」もそのような意味で使用されるもので、これより解説いたします。
「春を待ちわびつつ」とは?
「待ちわびつつ」とは、動詞「待ちわびる」に、接続助詞「つつ」が合体したものです。
「つつ」は活用語の連用形に接続するため、連用形の「待ちわび」に変化しています。
そして、「待ちわびる」の意味は、「あれこれ心配しながら物事を待つ」という意味です。
一方「つつ」は「〜つつ」の形で、「〜しながら」や「〜する一方で」という意味があります。
今回のフレーズでは「〜しながら」を意味していますので、「春が来るのを今か今かと待ちながら」という内容であると考えられます。
また、このフレーズの後には、相手を気遣う内容の表現が続く傾向が見られます。
「春を待ちわびつつ」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
挨拶のメールなどの中で、いわゆる「結び」の表現として用いられます。
基本的に、「春になる前」に使われる表現であることから、「立春」より前の段階で使うべきフレーズと言えます。
立春が2月の初頭のため、実質1月に用いられる季節の挨拶と考えて良いでしょう。
具体的な使用例としては、「春を待ちわびつつ、皆様が健やかにお過ごしになるよう祈っております」のように用います。
「春を待ちわびつつ」を使った例文
それでは、上記以外に考えられる使用例を挙げてみましょう。
・『春を待ちわびつつ、皆様のますますのご健康をお祈り申し上げます』
・『春を待ちわびつつ、あなた様の更なるご発展をお祈りいたします』
「春を待ちわびつつ」の言い替え
「寒さが厳しいので春が来るのを今か今かと待ちながら」という意味合いを出せるかどうかが、言い替えのポイントになります。
・「春の到来を心から願いながら」
春の訪れを強く望んでいるという意味で、「春の到来を心から願いながら」としています。
・「春の訪れが待ち遠しい日々ですが」
「待ちわびる」を、「〜が来るのを強く望む」という意味の「待ち遠しい」で言い替えています。
・「寒中の候」
「かんちゅうのこう」と読み、1月中の季節の挨拶として用います。
まとめ
「春を待ちわびつつ」とは、1月頃の寒さの厳しい中で、春の訪れを強く待つ心情を表す挨拶表現です。
通常、挨拶文の結びに用いられ、相手を気遣う表現とセットで使用されます。