ここでは「晩夏の候」の使い方やその際の注意点、言い替え表現などを詳しく見ていきます。
「晩夏の候」とは?
「晩夏の候」は、夏もそろそろ終わるというタイミングで用いる挨拶表現になります。
この「晩夏」は旧暦では6月を指す言葉ですが、ここでは現代的に解釈し、夏の暮になる8月の中旬から9月の上旬くらいの間のこととして使っており、その時期に用いられています。
冒頭の挨拶文に使われる表現で、少し堅い響きがありますが、手紙のやりとりのある間柄ではこの時期によく用いられており、文章専用の表現になります。
そのため、口語で使われることはありませんが、発音は「ばんかのこう」となります。
よって、変換で出す時にはそのように打ち込めばよく、この手の挨拶表現での「候」は、全て「こう」と発音します。
尚、この「候」の使い方は、そのほとんどが「節」(せつ)と置き換えられるとも覚えておくと、バリエーションとしてそちらにして使うこともできるので便利です。
「晩夏の候」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
この「晩夏の候」は、使える時期は先の通りで、そのタイミングで用いることができる挨拶表現です。
意味というものは特に考える必要はなく、該当の時期に文章の冒頭にもってくることで、いいクッション文を作ることができます。
この後には「いかがお過ごしでしょうか」などというご機嫌伺いになる文言を続けるもので、そこまでが定型文になります。
この表現が使える時期には、他にも用いることができる挨拶表現がいくつかありますが、その中でも堅さがあることから目上の人を相手に使うのに向いており、他の表現より優先して用いられることも多いです。
前述の説明のように、「候」を「節」として使っても構いませんが、この「晩夏」の場合はどちらかと言えば「候」の方が向いているので無理にそちらにすることはありません。
「晩夏の候」を使った例文
・『晩夏の候、お健やかにお過ごしのことと存じます』
・『晩夏の候、お変わりはありませんか』
「晩夏の候」の類語や言い替え
・『初秋の候』
こちらも「晩夏の候」と同じ時期によく使われている挨拶表現です。
「初秋」と表現される、暦の上で立秋(毎年8月7日頃)から白露(同じく9月7日頃)までの間に適しているため、8月中旬から9月の上旬の間と同様に考えてよく、「晩夏の候」より少し情緒が感じられることから、年配の人が相手の場合に合っている表現です。
まとめ
「晩夏の候」は、8月の中旬から9月の上旬くらいの間に使うことができる挨拶表現になります。
文章の冒頭で使われるもので、この後にはご機嫌伺いの文言を続けるのが定番で、それも含めて定型的な挨拶文として用いられています。