ビジネスメールなどで、「書中にてご挨拶申し上げます」という表現を目にすることがあります。
これにはどのような意味があり、どのような場面に用いるのか詳しく解説いたします。
「書中にてご挨拶申し上げます」とは?
「書中にてご挨拶申し上げます」のフレーズは、本来であれば直接会って挨拶するべき相手と、メールや書面などでやりとりする場合に用います。
「直接会って挨拶すべきところではあるが、会えないことをお詫びする」という意味合いが、隠れた意図として含まれています。
「書中にてご挨拶申し上げます」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
「書中にてご挨拶申し上げます」というフレーズをビジネスシーンで使用する場合、どのような場面で用いるのでしょうか。
例えば、あなたが担当している企業が変わる場合に、忙しくて直接挨拶に伺えないケースが考えられます。
このようなケースで、メールや手紙で挨拶を済ませる場合に、「書中にてご挨拶申し上げます」という表現を用いるのです。
「書中にてご挨拶申し上げます」を使った例文
それでは、具体的に「書中にてご挨拶申し上げます」を使用した例文を見てみましょう。
『本来であれば御社に直接お伺いすべきところではありますが、スケジュールの関係で書中にてご挨拶申し上げます』
『離任の挨拶のためご訪問させていただくべきかと存じますが、今回は書中にてご挨拶申し上げます』
これらのように、あくまで代替手段として、メールや書面で挨拶するということが前提の表現です。
「書中にてご挨拶申し上げます」の類語を使用した言いかえ
「書中」は「文中」「ぶんちゅう」でも置き換えられます。
最近多くの場面で使用される電子メールの場合は、「メールにて」という表現で置き換えることも可能でしょう。
「書面」という表現を用いることも可能ではありますが、書中は文書の内容まで意味するのに対し、書面は文書そのものを一般的に指す点に違いがあります。
「ご挨拶申し上げる」を「ご挨拶いたします」でも敬語表現としての意味合いはそれほど変わりませんが、謙譲語である「申し上げる」を用いる方が、より丁寧な敬語表現になりますので、「申し上げます」を用いる方が無難です。
また、「ご挨拶申し上げます」の部分を「失礼いたします」として、「会えなくて申し訳ない」という謝罪の意図を明確にすることも考えられます。
それらを踏まえると、「文中にてご挨拶申し上げます」や「メールにてご挨拶申し上げます」、または「文中にて失礼いたします」が代用表現になります。
まとめ
このように「書中にてご挨拶申し上げます」は、書面やメールで挨拶を済ませる場合に用いる表現です。
その上で、「本来なら書面やメールだけでは済ませられない」という意味合いがあることを意識しておきましょう。