ビジネスは、相手があってはじめて成立する場合が圧倒的に多いものです。
自分と相手が相互に折り合いを付けながら、物事はやっと進みます。
「本日は貴重なお時間をいただき」は、その配慮を示すためのフレーズであり、これより解説していきます。
「本日は貴重なお時間をいただき」とは?
「本日」は「今日」のかしこまった言い方であり、「貴重な」は「極めて重要な」や「とても大切な」あるいは「大変価値がある」といった意味があることはおわかりかと思います。
「お時間」は「時間」に敬語表現の接頭辞「お」が付いたものです。
この場合「相手の時間」を意味しますので、「尊敬表現」の意味で使われていると見るべきです。
「いただき」は「〜をもらう」の謙譲表現「いただく」の連用形「いただき」となっており、連用形にしている理由は、「連用中止法」のためです。
連用中止法は、活用語の連用形で一度内容を切り、その後接続(助)詞無しに次の内容を続けることが可能となる手法になります。
以上を踏まえると、このフレーズは、「今日はあなたの大切な時間を私のために使ってもらい」という内容を、相手を敬うために尊敬表現と謙譲表現を使って表現していることがわかります。
「本日は貴重なお時間をいただき」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
何らかの目的で、相手が自分のために時間の都合を付けてくれた場合に、その感謝を伝えるためのフレーズです。
例えば、メーカーが新しい商品を紹介するため、販売店に宣伝と説明に行った場合を考えてみましょう。
相手は説明を受けるためにわざわざ時間を作ってくれているわけですから、自分はまさに「貴重な時間をもらっている」わけです。
その場合、「本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました」などと相手に伝えます。
「本日は貴重なお時間をいただき」を使った例文
それでは他に考えられる例文を挙げてみましょう。
・『ご多忙の中、本日は貴重なお時間をいただき、感謝申し上げます』
・『こちらのわがままで、本日は貴重なお時間をいただき、大変恐縮です』
「本日は貴重なお時間をいただき」の類語による言いかえ
「本日」は「今日」、「貴重な」は「大切な」で言いかえられることは言うまでもありません。
「いただき」の部分は、同じく「もらう」意味の謙譲表現である「頂戴する」を使って言いかえます。
以上を踏まえると、「今日は大切なお時間を頂戴し」となります。
また、「お時間を割いていただき」や「ご都合を付けていただき」などの謙譲表現による言いかえも考えられます。
その場合、「今日は大切なお時間を割いていただき」や「今日はわざわざご都合を付けていただき」となります。
まとめ
「本日は貴重なお時間をいただき」は、相手が自分のために時間の都合を付けてくれたことに対しての感謝を示すためのフレーズです。