ここでは「歳末の候」の使い方やその際の注意点、言い替え表現などを詳しく見ていきます。
「歳末の候」とは?
「歳末の候」は、年末にのみ用いることができる挨拶表現になります。
この「歳末」はそのように「年末」のことを指している言葉で、俳句では冬の季語になっています。
その言い替えになっていると考えると分かりやすく、そのような時期ですがといった意味で挨拶文に使われます。
年末と言えば、一般的にあれこれと忙しい時期だと解釈されることから、そんな時期にどのように過ごしているのか、調子はどうかといったような文言をこの後に続けて使うもので、そのような文章にして冒頭の挨拶文に使われています。
年末の時期になるとこの表現を用いた「歳末の候、いかがお過ごしでしょうか」のような使い方をよく見掛けることになり、その文章自体が年末ならではの定型文だと言うことができます。
尚、文章専門の表現となるので口語で使われることはありません。
「歳末の候」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
この「歳末の候」は、具体的には12月20日過ぎから年末までの間に使われている表現です。
年の瀬の最後の10日間くらいの間限定の表現となっているため、使える時期は短いですが、その時期に送るメールの冒頭ではお馴染みとなっており、相手を選ばず失礼になることはないため、ビジネスシーンではそのような時期の他社へのメールで用いられます。
相手の会社自体に対して使う場合には、この後に定型表現になる「貴社におかれましては益々ご清栄のことと〜」などと続けるのが一般的で、BtoCの場面でも同様の時期にお客様に対して送るメールの冒頭で用いられており、仲のいい友人などとの文章のやりとりでも使うことができます。
ただし、手紙の場合は年末までに相手先に届かないといけないため、なるべく早いうちにそれを出すことが求められます。
「歳末の候」を使った例文
・『歳末の候、お変わりなくお過ごしのことと存じます』
・『歳末の候、ご健勝にてお過ごしのこととお慶び申し上げます』
「歳末の候」の類語や言い替え
・『年の瀬も迫る今日この頃』
「歳末の候」では堅くなってしまうと思った時には、こちらの表現に言い替えるといいでしょう。
こちらも同様に12月20日を過ぎた頃から年末までに使える挨拶表現で、この後にはやはり「いかがお過ごしでしょうか」などといった文言を続けて冒頭の挨拶文にして使います。
まとめ
「歳末の候」は、年末ならではの挨拶表現になります。
その時期にしか使うことができませんが、タイミングよく使うと風流感のある挨拶文になり、ビジネスでもその時期にはよく見掛ける表現です。