昇進や転勤などで、役職や担当だけではなく赴任地自体も変わることがあります。
今回の「着任以降」という言葉もそれに関係する言葉であり、詳しく解説してみましょう。
「着任以降」とは?
まずは「着任」の意味から説明しましょう。
「着任」とは、新しい役職や担当を任されることになった場所、つまり「任地」に着いて、その上で「仕事を開始した」という意味です。
例えば東京の本社に転勤して課長になった場合、任地は東京であり、着任とは東京で課長として勤務し始めた時です。
辞書的には単に「任地に着く」とする事例が多いものの、単なる「到着」ではなく「着任」ですので、正確には「任地に着いて仕事を始めた」か「任地に着いて仕事を始める準備が整った」段階を「着任」とする方が妥当です。
勿論、「任地に着く」や「任地に赴く」だけでも、そのような意味合いとして解釈されることもありますので、あくまで「詳細に意味を表現した」場合とお考えください。
また、「以降」は「それより後」の意味ですが、通常「それ」に該当することも時系列上「より後」に含まれますのでご注意ください。
以上のことから、「着任以降」の意味としては、「新しい任地で新しく任された仕事を開始した後」となります。
「着任以降」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
このフレーズは、概ね新任の挨拶か、現状の説明などの中で使用されるケースが多くなっています。
挨拶であれば、「着任以降、日数が経ったこともあり、ようやく仕事にも慣れてきました」などと使用されます。
一方、現状の説明であれば、「着任以降、売上が順調に伸びています」などと使われるでしょう。
「着任以降」を使った例文
それでは上記の例文以外の使用例を挙げてみましょう。
・『新しい営業部長の着任以前と着任以降で、営業成績が明確に違います』
・『先月の着任以降、多忙を極めており、ご挨拶が遅れましたこと、心よりお詫び申し上げます』
「着任以降」の類語による言いかえ
「着任」の類語として、「就任」や「新任」などが挙げられる傾向にあります。
確かにかなり似たような意味ですが、微妙な違いもありますので、それを一応押さえておいてから言いかえを挙げましょう。
「就任」は、「昇進して新しい役職に就く」という意味合いで使用される傾向があります。
それに対し「新任」は、単に「新しい役職に就く」という意味ですので、仮に降格でも問題なく使用されることになります。
一方で「着任」が「任地」を中心に捉えた言葉であることや、「以降」が「より後」であることは既に説明した通りです。
以上のことから、「着任以降」の言いかえとしては、「就任より後」や「新任より後」となります。
まとめ
「着任以降」とは、「新しい役職の任命を受け、新しい任地に赴いてから仕事を開始した時期より後」という意味です。