販売業などのビジネスにおいては、顧客や取引先からの発注通りの納品ができたかどうかは、信用問題に関わる大切なポイントです。
今回の「納品内容をご確認いただき」も注文に関係するフレーズであり、これより解説していきます。
「納品内容をご確認いただき」とは?
まず「納品」の意味から確認していきましょう。
「納品」は「のうひん」と読み、「注文を受けた品物を、注文主(発注者)の所まで届けること」または「納品した品物自体」を意味します。
「内容」はご存じの通り「物や事の中身」ですので、品物を届ける際に梱包したダンボールなどの中身とこの場合は解釈しましょう。
また「ご確認いただき」は、いわゆる「ご〜いただく」という、「相手に〜してもらう」という意味の謙譲表現の定型です。
尚、この場合「いただく」が「いただき」という「連用形」になっているのは、一度文を区切った上で接続助詞や接続詞なしに次の文章を続けることができる、「連用中止法」を使っているためです。
以上のことから、このフレーズは、「納品時の梱包の中身を確認してもらって」という意味の謙譲表現となります。
確認すべきことは、言うまでもなく「注文通りの品物が来て個数も合っているか、品質に問題はないか」ということです。
「納品内容をご確認いただき」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
このフレーズが使用される場合は、通常頼まれた商品を送付して、相手がその荷物を受け取った段階と考えられます。
直接対面で販売した場合には、販売時に顧客は実際に品物や商品を見て購入しているので、後からわざわざ確認する作業は不必要だからです。
ですから、通販や卸売などの業種で使用されるものと考えて良いでしょう。
通常送付による販売は、納品された商品が発注通りか注文主が確認と受け入れ(企業の仕入においての「検収」)してはじめて注文主に支払い義務(前払方式は除く)が生じますから、検収などの確認作業は、受注者側にとっても重要な発注者側の作業や業務となります。
このフレーズの後には、「問題なければ月末までに代金をお支払いください」などという内容が続くことになります。
「納品内容をご確認いただき」を使った例文
それでは、他に考えられる事例を挙げてみましょう。
・『納品内容をご確認いただき、万が一ご注文内容と違った場合には、担当者にご連絡いただけると幸いです』
・『納品内容をご確認いただき、注文内容通りの納品でしたら、同封の支払い伝票記載額を指定口座にお振込みください』
「納品内容をご確認いただき」の類語による言いかえ
「納品」の類語としては「納入」が挙げられます。
「納入」は行為としての「納品」の他、「金銭を納める」ことという意味もありますが、問題なく代用できます。
「確認」については、「納品された商品の種類、品質、数量を検査して受け取る」という意味の「検収」が該当しそうですが、検査に合格して「問題ないと受け入れる」までが「検収」と考えると、「確認」して検査に「合格」する段階まで含んでしまうことになります。
原文はあくまで「確認してもらう」までですから、「検収」よりも「検品」や「検査」の方が適切でしょう。
以上のことから、「納入した商品をご検品いただき」や「納入品を検品になった上で」などと言いかえるべきです。
まとめ
「納品内容をご確認いただき」とは、注文を受けて「注文主(発注者)に送った商品や品物を、注文と合っているか注文主に検査してもらって」という内容を謙譲表現にしたフレーズです。