「発送をいたしましたが」とは?ビジネスメールや敬語の使い方を徹底解釈

「発送をいたしましたが」とは? ビジネス用語

ビジネスでは、状況の変化に常に対応しなくてはなりません。

「発送をいたしましたが」もそのような場合に使われることもあるフレーズで、今回はこのフレーズについて解説してみたいと思います。

「発送をいたしましたが」とは?

まず「発送」の意味から正確に捉えておきましょう。

「発送」とは、「荷物や書類などを送ること」です。

一方、続く「いたしましたが」については、文法的に見てみましょう。

「する」の謙譲表現である「いたす」の連用形「いたし」に、丁寧表現の助動詞「ます」の連用形「まし」が付き、更にそこに過去や完了の助動詞「た」の連体形「た」が続き、最後に逆接の接続助詞「が」が付く形です。

また「いたします」は、謙譲表現が丁寧表現と組み合わさった形の「丁重表現」と呼ばれるもので、聞き手に強く配慮した表現の1つです。

つまり、「いたしましたが」の部分は、「しましたが」という内容を、謙譲表現と丁寧表現を組み合わせて、相手にかなり配慮した形にしたものと考えましょう。

以上のことを総合的に考えると、「発送をいたしましたが」は、「(物を)送りましたが」ということを相手にかなり配慮して伝える形となります。

尚、逆接の接続助詞「が」が最後に付いているため、このフレーズの後には、「発送した」結果からは通常考えられない内容が続くものと考えられます。


「発送をいたしましたが」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点

ビジネス上、注文や依頼を受けて、商品、サンプル、書類などを発送した場合に使用されることが想定されます。

ただ、先ほども触れた通り、「いたしましたが」という構造上、このフレーズの後には、トラブルの発生など、通常は考えられない内容が続くものと考えましょう。

具体例としては、「本日午後、発注商品の発送をいたしましたが、運送会社のシステムトラブルが発生した模様で、そちらへの到着が1日程度遅れる可能性があります」などと使用されます。

尚、現代では「が」の後でも順接的な内容が続くことも多く、文法上は間違いとは言え、現実にはかなりその形での使用もあるということを覚えておきましょう。

具体的には、「商品サンプルの発送をいたしましたが、順調なら明日午後にはそちらに届くものと思います」といった形での使用です。


「発送をいたしましたが」を使った例文

それでは、上記の他の例文を挙げてみましょう。

・『新商品のパンフレットの発送を致しましたが、誤って別商品のものを入れてしまったようで、別途送付いたします』
・『アンケート用紙の発送をいたしましたが、印刷ミスがあり、訂正内容についてメールで連絡させていただきます』

「発送をいたしましたが」の類語による言いかえ

「発送」「送付」「送る」の連用形「送り」の名詞的用法などで代用可能です。

「いたしました」については、謙譲成分なくなりますが、「しました」でも基本的に問題はないでしょう。

以上を踏まえ、「発送をいたしましたが」は、「送付しましたが」「お送りしましたが」などと言いかえられます。

まとめ

「発送をいたしましたが」は、相手に物や書類などを送ったものの、予期せぬトラブルなどが発生したことを連絡するのに用いる、相手に強く配慮したフレーズです。

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