ここでは「諸事情をご覧察のうえ」の使い方やその際の注意点、言い替え表現などを詳しく見ていきます。
「諸事情をご覧察のうえ」とは?
「諸事情をご覧察のうえ」は、諸々の事情を察していただいた上で、という意味になる表現です。
口語で用いられることはなく、文章専門の表現となっており、語尾の「うえ」は「上」と漢字にして使われることが多いです。
しかし、この「ご覧察」という言葉は存在せず、「ご賢察」を誤記してしまった表記です。
「ごけんさつ」と発音するので、その通りに変換すればこのような間違いが起こることはまずありませんが、手書きで書かれていた「賢」を間違えて「覧」と判断してしまい、それをタイプしてしまったといった場合が考えられます。
そのため、このように使われた際には「ご賢察」だと考えて構わず、こういった間違いを指摘できる相手であれば、「“ご賢察”のことだと存じますが〜」などとさり気なくそれを行ってもいいでしょう。
以下、「ご賢察」として説明を続けます。
「諸事情をご賢察のうえ」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
この「諸事情をご賢察のうえ」は、先のように色々な事情を察してもらって、というニュアンスで用いられます。
例えば、何かが中止になったという連絡を行う際に、「諸事情をご賢察のうえ、どうぞご理解ください」と用いた時には、その中止になった理由について、それに至る色々な事情があったのだと察して欲しい、それには使われた側が考える理由も含めても構わないという解釈になります。
要はそれなりの事情があるのだと伝えるための表現になり、この例のように、何かが中止になった、販売できなくなったといったような場合に使われています。
要はそれを相手に理解してもらうために用いますが、これという理由を伝えずに(それが伝えにくいものの場合も含めて)それを行うための表現です。
「諸事情をご賢察のうえ」を使った例文
・『諸事情をご賢察のうえ、どうぞご理解いただけますようお願いいたします』
・『そちらにつきましては、諸事情をご賢察のうえ、ご理解を賜りますようよろしくお願い申し上げます』
「諸事情をご賢察のうえ」の類語や言い替え
・『諸事情を察していただき』
このように使っても意味は同じ、「ご賢察」では堅くなってしまう場合に使われる表現です。
少し砕けた形なので、その相手とそれなりの付き合いがある時に適しており、意味が変わることはないため、同様に色々な事情があることを分かって欲しいと伝えるために用いられます。
まとめ
「諸事情をご賢察のうえ」は、諸々の都合により、何かが中止になる、または販売できなくなるといったような時に、それには色々な事情があることを分かってもらいたいという意味で用います。
つまり、具体的なそれを伝えることなく、何とか理解してもらいたいと考えて使われる表現です。