ビジネスシーンでは、人事系の表現は数多くあります。
今回の「退職する運びとなりました」も、その系統のフレーズであり、定型表現でもあります。
今回はこのフレーズについて解説いたします。
「退職する運びとなりました」とは?
まず「退職」はそのまま、「勤務先を辞めること」です。
定年退職なのか、希望退職なのか、転職による退職なのかはともかく、一般的に言う「会社を辞める」ことは全て「退職」です。
その「退職」に「する」が付いて動詞的な意味となっています。
さて、このフレーズのキーポイントは「運び」の意味でしょう。
この「運び」ですが、「運搬」などの意味ではなく、「物事が進むこと」に関係する言葉なのです。
具体的な意味としては「物事の進め方」や「進む速さ」、そして「物事が進んである段階になること」が挙げられます。
今回の場合は、「物事が進んである段階になること」という意味で用いられていると考えましょう。
続く「と」は格助詞で、「なり」は動詞「なる」の連用形であり、そこに丁寧表現を作る助動詞「ます」の連用形「まし」と過去や完了を表す助動詞「た」が続く形です。
これらの情報を踏まえたこのフレーズの意味は、「退職することになりました」であり、かなりかしこまった表現をしていることになります。
「退職する運びとなりました」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
このフレーズは退職の挨拶や挨拶文に用います。
基本的には冒頭の挨拶の直後に使用されるケースが多いでしょう。
「秋も深まってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。
私はと言えば、9月末を持って退職する運びとなりました」というような形での使用が考えられます。
「退職する運びとなりました」を使った例文
それでは、他の例文を挙げてみましょう。
・『突然のことで驚かれるかと思いますが、この度退職する運びとなりましたことをお伝えいたします』
・『無事退職する運びとなりましたが、退職後も引き続きお付き合いいただけますと幸いです』
「退職する運びとなりました」の類語による言いかえ
「退職」の類語としては「退社」や「離職」が考えられます。
定年退職という意味では「引退」の使用も可能でしょう。
一方、「運び」については特に代用語を置く必要はありませんので「こと」と置きかえれば足ります。
また、「となりました」は「になりました」や「が決まりました」で言いかえ可能です。
これらを総合すると、「退社することになりました」が全体の言いかえの1つの事例となります。
まとめ
「対象する運びとなりました」は、退職が決まったことを関係者に伝えるための挨拶に使われるフレーズです。