この記事では「諸事情により」について解説をします。
「諸事情により」とは?意味
いろいろな都合によって、という意味です。
「諸事情」はさまざまな都合をいいます。
いろいろな事情や理由のあることを婉曲にいうために用いるものです。
「諸」という漢字には、多くの、もろもろという意味があります。
「事情」は、物事がある状態になるまでの理由や状態、またその結果をいいます。
「により」は「によって」のやや改まった言い方で、原因や理由を表します。
「諸事情により」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
この言葉は、事情を曖昧にしたいときに使われます。
「諸」として、いろいろなものを曖昧にしてしまうのです。
内定辞退のことで説明をします。
内定をもらったのですが、ある事情があって辞退をすることにしました。
辞退だけを伝えても納得をしてもらえないことがあるので、その理由を伝えることが望ましいです。
しかし、詳しいことは話したくありません。
そこで、この言葉を使用します。
このように伝えれば、「詳しいことはいいたくない」という気持ちが伝わります。
しかし、この言葉は状況によっては不誠実な印象を与えます。
たとえば、謝罪の場面です。
被害を受けた側は、なぜこうなったのかを具体的に知りたいと思っています。
そうなった理由を説明するときに曖昧にしてしまうと、相手が納得をしてくれないだけでなく、不誠実な印象を与えます。
謝罪をする場面では曖昧にせず、具体的に伝えた方がよいでしょう。
また、定年退職のような理由がはっきりしている事柄の場合は、曖昧な表現は使いません。
相手も理由を知っているなら、曖昧にする必要はありません。
「諸事情により」を使った例文
・『諸事情により延期となりました』
「諸事情により」の返答や返信
はっきりとはいいたくないことがあるのでしょうから、詳しいことは聞かない方がよいでしょう。
いろいろと知りたいかもしれませんが、深く尋ねるようなことは控えます。
相手の気持ちに配慮をしましょう。
しかし、詳しい事柄を聞かなければならない場面もあります。
そういった場面では曖昧にして済ませてしまうのではなく、詳しく尋ねなければなりません。
そのときに、責めている印象を与えないように気をつけてください。
責められていると感じると、質問に答えにくくなります。
尋ねられる側の身になって質問をしましょう。
まとめ
この言葉は、原因や理由を曖昧にして伝えたいときに用います。
このように伝えれば、話したくないことがあると察してくれるはずです。
しかし、状況によっては不誠実な印象を与えてしまいます。
使う場面を考える必要のある言葉です。