「この度は」とは?ビジネスメールや会話での使われ方や敬語の使い方を徹底した解釈で以下に詳しく説明します。
「この度は」とは?
「この度」は「このたび」と読み、今現在進行中の事態や状況の意、またはごく最近に起きたことを表わす言いまわしです。
順序を意識した「前回」や「次回」とは異なり、「今回」「今度」を丁寧な表現にした言いまわしであり畏まったシーンで使用されます。
ただし、「この度は」と「今回」「今度」は全く同じというわけではありません。
「今回」が「前回」「次回」と対比させた上での順序や回数を意識した言葉であるのに対して、「この度は」は目の前の状況や事態だけを指します。
「この度は」のビジネスにおけるメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
「この度は」は「このたびは」という表記も可能です。
ただし、ビジネスの場においてメールや文書で「このたびは」を用いると、少し軽い印象に取られる恐れがあります。
これに対して「この度は」の方は畏まった印象を与えることから、ビジネスにおいてはこちらの方が好まれて使用されています。
なお、公用文の作成におけるこの言いまわしの正しい使用は「このたびは」の方が正解です。
これは文化庁の推奨ルールに「事(こと)」や「時(とき)」などの形式名詞はひらがな表記が推奨されているためです。
「この度は」の正しい敬語表現
「 この度は」は敬語ではないため、目上の人に使用する場合は前後の文章を敬語にして合わせて使用するようにしましょう。
たとえば、『この度は課長よりお力添えをいただいたことで商談が成約しました』というように後ろの文章を丁寧な言いまわしにすることでこの一文は敬語表現として目上の人にも使用できます。
さらにこの言いまわしは冠婚葬祭といったフォーマルなシーンでも数多く使用が定着しています。
「この度は」を使った例文
この言いまわしを使った例文を以下に紹介します。
・『この度、定年退職することになりました』(挨拶の場面)
・『この度はお忙しい中ご参集いただき誠にありがとうございます』(お礼の場面)
・『この度は私のミスで大変ご迷惑をおかけいたしました』(お詫びの場面)
「この度は」の類語・言い替え
この言いまわしの類語・言い換え例を以下に紹介します。
・『今回の打ち合わせにご同道いただきありがとうございます』
・『今度の会議では本日の打ち合わせで決まったことを提案します』
・『○○の件では大変お世話になりました』
日常的な会話や文書であれば「今回」や「今度」が適しています。
「この度は」よりも自然な会話が期待できます。
ビジネスシーンで使用される「○○の件」という言いまわしも「この度は」と似た意味合いです。
ただ「この度は」よりも具体的な内容を指しており、ビジネス感が強い印象があります。
まとめ
「この度は」はお礼やお詫びを丁寧に行ないたい場合や冠婚葬祭のような畏まった場で挨拶するようなシチュエーションでは場に適した言いまわしのため、正しく理解してここぞというときに活用しましょう。
