この記事では、ビジネスシーンでよく使われるフレーズの「おもてなしに預かり」について、その意味や使い方や敬語表現を徹底解説します。
「おもてなしに預かり」とは?
「おもてなしに預かり」のフレーズにおける「おもてなし」は、「心のこもった待遇」や「心をこめて歓待や接待をすること」を意味する「もてなし」に、相手の方への敬意を示す接頭辞の「お」が付けられた言葉です。
また次の「預かり」は「一時的に保管や管理することを引き受けること」を意味する「預かる」の連用形です。
この二つの言葉を繋ぐと、全く意味が理解できないフレーズとなります。
実はこの「預かる」の表記が間違えており、正しくは「好ましい影響を受けること」を意味する「与り」と表記すべきなのです。
正しい表記の「おもてなしに与り」のフレーズは、「心のこもった待遇を受けて」といった意味になります。
ただし、正しい表記の「与る」の「与」の漢字の訓読みの「あずか(る)」は常用漢字外の読みです。
したがって、一般的には漢字表記ではなく、「おもてなしにあずかり」と平仮名表記されます。
少しでも漢字表記を使おうと考えられる方もおられますが、ここでの「あずかり」はあえて平仮名表記すべきだと覚えておく必要があります。
以降では正しい「おもてなしにあずかり」の表記に換えて説明を続けます。
「おもてなしにあずかり」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
「おもてなしにあずかり」のフレーズは、相手の方にご馳走になったことを指して使われますが、それだけでなくもう少し広く「歓待されたこと」に対して使われる表現です。
また、このフレーズは「〜あずかり」と連用形で終っているので、このまま文章が完結することはなく、その後ろには「誠にありがとうございました」や「恐縮しております」等の感謝や恐縮していることを伝える言葉が続けられます。
「おもてなしにあずかり」を使った例文
・『丁重なおもてなしにあずかりましたこと、心より感謝申し上げます』
・『身に余るおもてなしにあずかり恐縮しております』
「おもてなしにあずかり」の類語や言い換え
「おもてなし」の類語としては「ご歓待」や「ご歓迎」や「ご厚遇」等が挙げられます。
また「あずかり」の類語としては「受け」や「頂戴し」や「もらい」等が挙げられます。
したがって、これらの類語を繋いで、「おもてなしにあずかり」のフレーズは「ご歓待をもらい」や「ご歓迎を頂戴し」や「ご厚遇を受け」等と言い換えることが出来ます。
また、敬語表現への言い換えとしては「おもてなしをいただき」や「おもてなしを賜り」等が挙げられます。
まとめ
「おもてなしに預かり」の表記は間違いで、正しくは「おもてなしに与り」や「おもてなしにあずかり」とすべきです。
また、このフレーズは「心のこもった待遇を受けて」といった意味です。