物事の程度を表現するフレーズは様々あります。
「数々」もまたその1つと言え、今回はこのフレーズについて解説してみたいと思います。
「数々」とは?
「数々」は「かずかず」と読みます。
「数々の成功」というように、「多くの」や「たくさんの」あるいは「色々な」という意味の形容詞として使われる場合もありますし、「成功の数々」のように、「多く」や「多数」または「様々」という名詞的な使われ方をする場合もあります。
基本的に「数えられる」ものに対して使用される言葉です。
「数々」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
ビジネスでよく「数々」という言葉を目にする場合を考えると、まず思い付くのは謝罪表現の中ではないでしょうか。
「数々の不手際について謝罪いたします」などという、失敗やミスが複数(回)あったことを強調する意味合いでの使用です。
「不手際の数々」や「数々の不手際」などは、割と謝罪表現の中の定型表現として用いられることが多くなっていますが、当然、たくさんの不手際が実際にあったというよりは、相手にとってトラブルが複数あるだけで、印象として「十分多い」ということに配慮した表現です。
もちろん、肯定的な意味で使用されることもあります。
具体的には、「部長の数々のご指導のおかげで」など、こちらは良い意味で「色々な」や「多数の」という意味を強調しています。
「数々」を使った例文
それでは実際の使用例を挙げてみましょう。
・『今回の部下による無礼の数々についてお詫び申し上げます』
・『数々の貢献については、感謝の言葉もありません』
「数々」の類語による言いかえ
「数々」の意味からして、「多数’(の)」や「色々(な)」などのシンプルな言いかえがまず考えられます。
その他には、「多大(な)」や「様々(な)」あるいは「幾多(の)」や「数多(の)」と言った表現も代用語として使用可能でしょう。
尚、「幾多」の読みは「あまた」でも「いくた」でも可能であり、「数多」の読みも「あまた」と「すうた」の両方が可能です。
「幾多」も「数多」も基本的に「数多くの」や「多量の」という形容詞的な意味と「多数」や「たくさん」などの名詞的な意味があります。
ただ、「数多」の方には、「非常に多い」などの「程度の強調」としての意味合いが「幾多」より強い場合があります。
まとめ
「数々」という言葉は、「数多くの」や「たくさんの」あるいは「様々な」という形容詞的な意味での使われ方をする場合と、「たくさん」や「多量」または「色々」といった名詞的な意味で使われる場合があります。
実際には「多数」とは言えない場合でも、「数々の不手際」のように強調する意味で使われることがあることに注意しましょう。