ビジネスでは、年末や新年の挨拶は必須です。
「歳末のご挨拶とさせていただきます」も、その一環としてよく使われるフレーズですので、これより詳しく解説していきます。
「歳末のご挨拶とさせていただきます」とは?
まず「歳末」ですが、意味としては「年末」と全く一緒です。
また、「させていただきます」は、「いただく」の連用形「いただき」を使用した「させていただき」に丁寧表現を作り出す「ます」が付いた形です。
一方で、「させていただく」は、敬語表現の中でよく出てくるだけでなく、問題になりやすい表現でもあります。
一般的に、「させていただく」は、「相手か第三者の許可を得て」且つ「自分のためにする」という2つの条件を満たすことを前提に、「相手に遠慮しつつ〜を行う」という敬語表現を作り出します。
同じく「する」の謙譲表現である「いたす」が一方的な行為の謙譲表現であるのに対し、「させていただく」は「相手に配慮」した謙譲表現と言えるでしょう。
この場合は「挨拶とする」という表現を、敬語表現をつくる接頭辞「ご」を「挨拶」に付け、「いたす」と共に「する」の謙譲表現の1つである「させていただく」を用いて、「ご挨拶とさせていただく」という形にしています。
挨拶している以上、相手が挨拶を事実上許していると同時に、挨拶は自分が相手との関係を維持するのに役立つことで、「自分のため」にも行っているわけですから、使用条件の2つを満たしており問題ありません。
これらを踏まえると、「歳末のご挨拶とさせていただきます」とは、「年末の挨拶とします」という意味を謙譲表現にしていることになります。
「歳末のご挨拶とさせていただきます」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
1年の締めとしての感謝を表す意味や、年末年始の営業スケジュールの伝達など、年末の挨拶は大きな意味を持っています。
その中で、このフレーズは挨拶の「締め」としての役割です。
通常は会話で用いられる表現ではなく、メールなどの文章で利用されます。
例えば「メールにて歳末のご挨拶とさせていただきます」のような形です。
「歳末のご挨拶とさせていただきます」を使った例文
それでは、実際に使用される可能性がある例文を挙げてみましょう。
・『以上をもって、歳末のご挨拶とさせていただきます』
・『簡単ではございますが、歳末のご挨拶とさせていただきます』
「歳末のご挨拶とさせていただきます」の類語による言いかえ
「歳末」の言いかえとしては、既に挙げた「年末」の他、「年の暮れ」や「年の瀬」などが挙げられます。
敬語表現の「させていただきます」については、シンプルに「いたします」で足ります。
これらを踏まえると、「年の暮れのご挨拶といたします」や「年の瀬のご挨拶といたします」のような形での言いかえが考えられるでしょう。
まとめ
「歳末のご挨拶とさせていただきます」とは、年末の挨拶の締めとして使われます。
基本的に文章表現としての使用です。