ビジネスでは適切な設備投資が必要不可欠です。
そして、「導入をご検討されている」は、この設備投資などに関係して用いられるフレーズであり、これより解説していきます。
「導入をご検討されている」とは?
まず「導入」の意味から考えてみましょう。
「導入」とは、この場合は「外部から取り入れること」です。
また物理的に「引き入れる」だけでなくソフトのインストールなども「導入」事例の1つと言えます。
因みに「インストール」の日本語訳は「導入(する)」です。
より具体的に意味を取るなら、「新しい機械や技術、またはサービスなどを外部から自分の会社や設備に採用する」といったところでしょうか。
一方「検討(する)」の意味は、「様々な観点から考えて判断すること」や「熟慮すること」といった意味になります。
そしてこの「検討」の動詞である「検討する」の尊敬表現が「検討される」になります。
そこに、敬語表現を作る接頭辞「ご」が付いた形が「ご検討」なのですが、これについては後から説明します。
話を戻すと、「されている」は、「される」の連用形「され」に接続助詞「て」が付き、更に動詞「いる」が付く形で「されている」という構造です。
「いる」は、動詞の連用形に接続助詞「て」が付いたものに更に付いて、「ある状態が現在まで続いている」ことを表現します。
つまり「(ご)検討されている」とは、「(ずっと)検討している」という意味の尊敬表現です。
しかし、改めてこの表現には問題があります。
「検討」に敬語表現の接頭辞「ご」が付いており、文脈から尊敬表現であることは明確なので「二重敬語」に該当してしまうということです。
これは「する」の尊敬語を「される」ではなく「なさる」にすると回避できるので、「ご検討なさる」を用い、このフレーズであれば「ご検討なさっている」にすべき事例です。
ただ、「ご」に「なさる」との構造の違いもないことから、接頭辞の「ご」自体を省略し、「検討されている」や「検討なさっている」が本来あるべき尊敬表現と考えておきましょう。
以下はすべて「検討されている」として表記いたします。
「導入を検討されている」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
新規設備投資を行う考えのある企業や事業主へのセールス活動や提案の際に、このフレーズがよく用いられます。
「貴社におかれましては、新しい会計システムの導入を検討されているとのことで、弊社のシステムについてご紹介させていただきます」のような形で使用されます。
「導入を検討されている」を使った例文
実際に使用可能な例文を挙げてみましょう。
・『導入を検討されている製造機器について、予定価格をお伝えいたします』
・『新しい顧客管理ソフトの導入を検討されていると伺いました』
「導入を検討されている」の類語による言いかえ
まず「導入」については、「採用」がもっとも適切な言いかえと言えるでしょう
「採用を検討されている」となります。
一方「検討」については、敬語表現まで含めると「お考えになっている」や「考慮されている」と言った言いかえが適切でしょう。
敬語表現としては、既に触れましたが、「なさる」を用いて「導入を検討なさっている」という言いかえが考えられます。
まとめ
「導入を検討されている」とは、設備投資を考えている相手へのセールスや提案に使われるフレーズです。