ビジネスは、常に新しい分野に挑戦し続ける野心がなくては立ち行きません。
「参入を計画しております」も、そのような姿勢を表すフレーズであり、これより解説したいと思います。
「参入を計画しております」とは?
まず今回のフレーズの中から、「参入」についてチェックしましょう。
読み方は「さんにゅう」で、意味は「新しい分野に加わること」です。
また「計画」については、辞書的には「何かを行う目的で、方法や手順などを事前に考えること」という意味になります。
さて、このフレーズで文法的にもっとも重要なポイントは、最後の「〜ております」という敬語表現にあります。
説明するにあたり、最初にこのフレーズを分解してみましょう。
「する」の連用形「し」に継続を意味する接続助詞の「て」が付き、そこに「いる」の謙譲表現「おる」の連用形「おり」に丁寧表現の助動詞「ます」が続いた形が「しております」です。
意味としては、「〜している状態です」、つまり簡単に言えば「しています」と考えれば良いでしょう。
問題は、この「しております」が敬語表現の中の何に該当するのかということです。
「おります」という形から、(通常の)謙譲表現もしくは丁寧表現と考えがちですが、実はこの「(し)ております」は、いわゆる「丁重表現」と呼ばれる、特殊な謙譲表現なのです。
丁重表現は、自分の行為の直接対象で、自分の行為を謙譲表現にして立てる相手はいません。
今回で言えば、「計画する」こと自体には対象となる相手は居ないわけです。
その代わりとして、話を聞いている相手を立てるために謙譲表現に加え丁寧表現を用いるのが丁重表現ということになります。
また、丁重表現は丁寧表現より更に丁寧な表現とされ、丁重表現が使用される場面も、かなりフォーマルな場とされています。
つまり今回のフレーズは、この話を聞いている相手に対して「丁重表現」を使って、「参入を計画している」ことをフォーマルな場で伝えているということになります。
「参入を計画しております」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
企業が新しい事業や分野に参入することを、フォーマルな場面で関係者に報告するのに、このフレーズが使われます。
既に解説した通り、報告する相手に対して敬意を払っている表現であることに注意しましょう。
「参入を計画しております」を使った例文
それでは、実際に考えられる使用例を挙げてみましょう。
・『実は、新しい事業への参入を計画しております』
・『参入を計画しておりますことについては、内密にお願いいたします』
「参入を計画しております」の類語による言いかえ
「参入」は「進出」で代用可能です。
「計画して」は「企画して」による代用で問題ないでしょう。
一方で、「しております」という丁重表現を更に丁重にするため、「いたしております」とする言いかえもあり得ます。
これらを総合的に組み合わせると、「進出を企画いたしております」という形での言いかえが成立します。
まとめ
「参入を計画しております」というフレーズは、新しい事業などに進出することを、フォーマルな場で聞き手に配慮して伝える表現です。