この記事では、ビジネスシーンでしばしば使われる「ご如才なきことながら」について、その意味や使い方等を分かりやすく説明します。
「ご如才なきことながら」とは?意味
「ご如才なきことながら」のフレーズを言葉毎に分解して、少し詳しく説明します。
「如才」の読みは「じょさい」で、「手落ちや、手抜かり」のことです。
「ご如才なき」は、この「如才」を「なき」で否定し、さらに敬意を示す接頭辞の「ご」が付けられた表現です。
これに「ことながら」すなわち「ことですが」を付けて、全体としてはの直訳的な意味としては「手落ちや、手抜かりはないでしょうが」となり、一般的には「既に十分ご承知とは思いますが」との意味で使われます。
ちなみに、「如才ない」は「気が利いて抜かりがないさま」や、「愛想がよいさま」を表現する言葉として、「あの受付の女性は、本当に如才ない」や、「課長はどんな人とも如才なくコミュニケーションが取れる人だと尊敬されています」等としても使われています。
「ご如才なきことながら」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
「ご如才なきことながら」のフレーズの意味は、先に記した通りですが、もともとは霞が関の官僚用語であり、少し固い表現と言えます。
しかし、改まった表現としてビジネスメールで便利に使われるようになった表現です。
この意味の表現としては、「ご存知だとは思いますが」や「ご存知かもしれませんが」の方が馴染み深いと言えるでしょうが、こちらの表現では「当然、知ってますよね」とのニュアンスが含まれており、上から目線だと感じる方も少なくありません。
従って、こうしたニュアンのない「ご如才なきことながら」が便利に使われているのです。
「ご如才なきことながら」を使った例文
・『如才なきことながら、この件は社外秘相当ですので、取り扱については十分ご注意のほど、お願いいたします』
・『如才なきことながら、例の新しいシステム利用申請は、3月20日が締め切り日となっています』
「ご如才なきことながら」の言い換え表現
「ご如才なきことながら」の言い換えとしては、先に上から目線のニュアンスがあるとした「ご存知だとは思いますが」や「ご承知とは思いますが」をベースに、「思う」を謙譲語の「存じる」に換えて、敬語表現とするのが良いと言えます。
すなわち、「ご存知だとは存じますが」や「ご承知とは存じますが」と言い換えるのが良いでしょう。
まとめ
「ご如才なきことながら」とは、「既に十分ご承知とは思いますが」との意味の表現です。
もともとは、官僚用語で少し固い表現と言えますが、同じ意味で馴染みのある「ご存知だとは思いますが」には、「当然、知ってますよね」とのニュアンスが含まれており、それが上から目線だと捉えられる恐れがあるため、ビジネスメールtで広く使われるようになったものです。