ビジネスで見聞きすることも多い「その節」という言葉について、詳しく見て生きたいと思います。
「その節」とは?意味
「その節」は、「あの時」と言い換えると分かりやすい言葉です。
「節」は1節や2節といった区切りに用いられているように、ある時点を指すために使うことができ、「その」と組み合わせて“既に終わったある時点”の表現となっています。
よって、ビジネスでよく見聞きする「その節はお世話様でした」という使い方は、以前に何かでお世話になったことがあり、そのお礼として用いていることになります。
つまり、過去のある時点のこと、その時の出来事を指している言葉で、「あの時」を丁寧に、且つビジネス向けにした表現だと考えていいでしょう。
そのため、日常でも使われる言葉ながら、ビジネスで用いられることの方が多く、意味になる「あの時」では少しぶっきらぼうな表現なため、その言い回しを丁寧に変えている言葉です。
「その節」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
この言葉の意味になる「あの時」と使うところを「その節」と置き換えることで、丁寧になり、ビジネスにも適した表現になります。
口頭でも文章でも問題なく使うことができ、年齢や序列などに関わらず使えるため、使い勝手にとても優れています。
注意点として、どの時のことを言っているのか分からないと意味を成さないため、お互いにそれが分かることが前提です。
例えば、以前にその相手と一緒に何かをしたことがあり、お互いにそれが分かっている場合に「その節は大変でしたね」などと用いると、その件を言っているのだとすぐに分かるでしょう。
この言葉を使われて、該当するような出来事が思い浮かばない場合には、それほど印象に残らないくらいのことだったのかも知れません。
「その節」を使った例文
・『その節はご面倒をお掛けしまして、申し訳ありませんでした』
・『その節においてはご尽力を賜りまして、本当にありがとうございました』
「その節」の返答や返信
この「その節」と使われた時には、どの時のことか考える必要があります。
それがすぐに思い浮かぶ場合はいいですが、そうでない時には返答に困ってしまうことが少なくありません。
それは、素直に「どの時のことでしょう?」などと聞き返すのは多くの場合で失礼になるからです。
よって、すぐには思い浮かばない時でも、可能な限り「その節」に該当するような出来事を思い返してみないといけません。
ですが、そのような時はそれほど多い訳でもなく、大抵の場合ですぐにそれと分かることがないと使われない言葉だと思っておいていいでしょう。
まとめ
「その節」は「あの時」と置き換えて考えれば簡単に意味の分かる言葉です。
それに該当する出来事が過去にあったことが前提になるため、そのような場合にのみ使われると考えて構いません。