人は誰でも失敗を繰り返してしまう生き物ですが、それを表す「同じ轍」という表現があります。
しかし轍(わだち)の意味については、良くわからない人もいるかもしれません。
同じ轍の意味や使い方などについて、把握していきましょう。
「同じ轍」とは?
同様の結果を得ることや、先人の間違いを繰り返してしまうことを表している言葉です。
「轍」は本来、前車が作った筋道を表します。
「同じ轍」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
会議やミーティングの中では、以前に起こった何らかの失敗事例が取り上げられることがあります。
そのような失敗を今後繰り返さないようにしようと話し合ったり伝える時に、「同じ轍」を使うことができるでしょう。
同じ轍を用いることによって、関係者の間に注意を促す効果があります。
これは慣用句である「同じ轍を踏まない」が元になっているので、「踏む・踏まない」と併せて使われる傾向が強いものです。
また用いる人や会議の参加者などが、以前にあった失敗を認識していることが前提であり、それが知られていない場合は説明が必要となります。
そして同じ轍を踏まないため、「よく考えて」のように、今後何をしていくべきなのかを伝えなければいけません。
「同じ轍」を使った例文
・『先日のプロジェクトの失敗を糧とし、同じ轍は踏まないように進めてください』
・『同じ轍は踏まないように、前回よりも時間をかけて計画をたてましょう』
「同じ轍」の類語や言い替え
「前車の轍を踏む」は古くからのことわざで、同じ轍と同様の意味で使うことができます。
「同じ失敗を繰り返す」は、以前と同じように物事をし損なうことを、重ねてやってしまうことを表すものです。
「同じ失敗を重ねる」は、間違いを積み上げてしまうとの意味になります。
上記の失敗の部分については、「間違い」「過ち」「誤り」などを使うことも可能です。
「同じミスを繰り返す」とすると、若干軽い印象になります。
まとめ
先人の失敗を繰り返す意味をもっているのが「同じ轍」です。
そうならないよう関係する人に注意する目的で使われる傾向にあり、今後何をしていくべきかを併せて伝えることが大切と言えます。
似た表現としては「同じ失敗を繰り返す」などがあるので、場面によっては言い替えてみましょう。