相手に許可を求めることはビジネスでは日常茶飯事です。
今回の「お伺いしたくメールを差し上げました」はまさにそのような意図があるフレーズであり、これより解説いたします。
「お伺いしたくメールを差し上げました」とは?
まず、「お伺いしたく」を文法的に解説してみましょう。
「お伺いする」は「訪問する」の謙譲表現であり、その連用形「お伺いし」に、願望を表す助動詞「たい」の連用形「たく」が付いた形が「お伺いしたく」です。
「たい」も連用形になっているのは、いわゆる「連用中止法」と呼ばれる、接続詞や接続助詞なしに次の文章内容を続けることができる方法を取るためです。
本来であれば、「たく」の後に読点が付きますが、このフレーズのようにそのまま直接次の内容が続く場合もあり得ます。
また、「メール」は言うまでもなく電子メールを意味します。
「差し上げる」は「与える」の謙譲語で、その連用形「差し上げ」に、丁寧表現の助動詞「ます」の連用形「まし」が付き、最後に過去や完了表現を作る助動詞「た」が続いたものが、「メールを差し上げました」という部分になります。
以上のことから、「お伺いしたくメールを差し上げました」とは、「訪問したいので、メールを出しました」という内容を、謙譲表現を用いて表したフレーズとなります。
「お伺いしたくメールを差し上げました」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
何らかの理由で、取引先や顧客などの元に訪問したい時、その許可を求めるためにメールを出す際、その冒頭に使用されます。
このフレーズを使う直前に、訪問したい理由について説明しておく必要があります。
また「差し上げる」という表現は謙譲表現ではありますが、元々が「やる」や「与える」という「上から目線」的表現だとして嫌う人もいるようですので、使用の場合には注意しておくべきでしょう。
「お伺いしたくメールを差し上げました」を使った例文
それでは、実際の使用例を2つほど挙げてみましょう。
・『リフォーム工事の詳細について、説明させていただくためにお伺いしたくメールを差し上げました』
・『見積もり価格の調整の件で、お伺いしたくメールを差し上げました』
「お伺いしたくメールを差し上げました」の言いかえ表現
「訪問したい気持ちがあって、相手にその許可を求めている」表現ですので、「〜させてもらう」意味の「〜させていただく」構文を利用しましょう。
また、「メールを差し上げました」については、「メールいたしました」で言いかえとしては足ります。
以上のことから、「訪問させていただきたいと思い、メールいたしました」のような文章が言いかえ候補になるでしょう。
まとめ
「お伺いしたくメールを差し上げました」は、「相手の元に訪問したいので、その許可を求めるためにメールした」という意味の謙譲表現です。
「差し上げる」という表現を「上から目線」として嫌う人もいますので、その場合には「メールいたしました」で代用しましょう。