「ご猶予いただけますか」とは?
ビジネスにおけるメールや会話での使われ方や敬語の使用方法を徹底した解釈で以下に詳しく説明します。
「ご猶予いただけますか」とは?
この言いまわしは相手に対して決定や実行を先延ばしにしてもらえないかという意です。
追加で時間の猶予をもらいたいとの気持ちを表わしています。
「猶予」は「実行の日時を延ばすこと」を言います。
ビジネスシーンでも使用することは多く、会議の時間延長をしたい場合、交渉のための時間を引き延ばしたい場合、期日に間に合いそうにない場合などが考えられます。
「ご猶予いただけますか」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
この言いまわしのビジネスシーンでの使い方を想定すると、例えば取引先への納品準備の際、納品直前になって不良が見つかり、納品予定を変更しなくてはならなくなった場合が該当します。
このような場合、「もう少しご猶予いただけますか」と相手にお願いして納品予定日の調整を行なうべきです。
ただし、この言いまわしは敬語としては相手を敬う度合いが低いため、より敬意を示す場合は「いま暫くお時間の猶予をいただけますでしょうか」などの表現に替える必要があります。
「ご猶予いただけますか」の正しい敬語表現
「ご猶予」は「猶予」に接頭語の「ご」をつけて敬意を表わす言い方にしています。
「ご」は他人の行動や持ち物を表わす語について、その人に対する敬意を表わします。
「いただけ」は「いただく」のことで「貰う」の謙譲語です。
「貰う」には頼んだり贈られたりして自分のものにするという意があります。
なお、メールは会話と違って態度で敬意を示せないため、メールでより丁寧な敬語を使うことが相手に対して最大限の配慮になります。
例えば、「猶予」に接頭辞「ご」をつけ、「~をもらう」の謙譲語「~をいただく」とし、「思う」の謙譲語と丁寧語の疑問形「~ますか」をつけて「いただけますか」としています。
「ご猶予いただけますか」を使った例文
この言い回しを活用した例文を以下に紹介します。
単独での使用も可能ですし、先に謝罪の言葉を言う使い方もできます。
・『もう少しご猶予いただけますか』
・『誠に申しわけございませんが、もう少しご猶予をいただけますか』
「ご猶予いただけますか」の類語・言い替え
この言いまわしの類語・言い替え例を以下に紹介します。
・『もう少し時間をください』
・『お時間をいただきたく存じます』
・『お時間をいただければと存じます』
・『お時間をいただければ幸いです』
・『いま暫くお時間の猶予を頂戴できますでしょうか』
「時間をください」は「猶予をください」とほぼ同じ意味のため、言い替えが可能です。
「お時間を頂きたく存じます」以降の例文は、「もう少し時間をください」をより丁寧な敬語表現にした言いまわしです。
なお「頂く」を「頂戴する」と言い替えることもできます。
まとめ
「ご猶予いただけますか」は相手に時間や期日の延長をお願いする際に使用する言いまわしです。
期日の延長が必要な場合の常套表現ですので、覚えておいて必要に応じて活用し、相手に迷惑をかけないようにしましょう。