この記事では、ビジネスシーンでよく使われるフレーズの「ご記載の程よろしくお願い致します」について、その意味や使い方や敬語表現を徹底解説します。
「ご記載の程よろしくお願い致します」とは?
「ご記載の程よろしくお願い致します」における「ご記載」の読みは「ごきさい」で、「記録して残す書類や書物などに書き記すこと」を意味する「記載」に、敬意を表す接頭辞の「ご」が付けられた言葉です。
次の「程」は「断定を避け、表現をやわらげる言葉」で、大きな意味はありません。
また「よろしく」は丁寧にお願いする際に添えられる言葉で、「適切に」と言った意味になります。
最後の「お願い致します」は「望んだり、希望すること」を意味する「願う」に敬意を示す接頭辞の「ご」が付けられ、その後ろに補助動詞の「〜する」の謙譲語の「いたす」、さらに丁寧語の「ます」が付けられた表現です。
動詞の場合は「致す」の漢字表記が使われますが、補助動詞では平仮名表記を使うのが正しく、漢字表記は間違いとなります。
以上のことから、「ご記載の程よろしくお願い致します」の正しい表記は「ご記載の程よろしくお願いいたします」で、「記録して残す書類や書物などに書き記すよう適切に願う」との意味の丁寧な敬語表現となります。
以下では正しい表記に換えて説明を続けます。
「ご記載の程よろしくお願いいたします」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
「ご記載の程よろしくお願いいたします」は、書類等に必要事項を書き記してもらいたいとお願いする際に使われるフレーズで、口頭でもビジネスメール等の文書の書き言葉としても使われる表現です。
このフレーズで使われている「記載」の意味をもう少し理解するために、似た言葉の「記入」との違いに触れておきます。
いずれの言葉も広い意味で「書くこと」を指す点は同じです。
違いとしては、「記入」は単に書き込むことを表す言葉であるのに対し、「記載」は大切に保管したり、後々読まれること、すなわち記録を目的として書類や原稿を書くことを指す点だと言えます。
また、「記載」はずでに書類等に書かれた事柄に対しても使われますが、「記入」にはこうした使い方はありません。
「ご記載の程よろしくお願いいたします」を使った例文
・『契約書類に住所・氏名等をご記載の程よろしくお願いいたします』
・『ミニコミ誌のコラム原稿をご記載の程よろしくお願いいたします』
「ご記載の程よろしくお願いいたします」の類語や言い換え
「記載」の類語としては、先にニュアンスの違いを説明した「記入」の他、「書き込む」や「書き入れる」等が挙げられます。
したがって「ご記載の程よろしくお願いいたします」のフレーズは「ご記入の程よろしくお願いいたします」や「お書き込みの程よろしくお願いいたします」や「お書き入れの程よろしくお願いいたします」等と言い換えることが出来ます。
また、敬語表現を換えて「ご記載の程よろしくお願い申し上げます」と言い換えることも可能です。
まとめ
「ご記載の程よろしくお願い致します」の正しい表記は「ご記載の程よろしくお願いいたします」で、「記録して残す書類や書物などに書き記すよう適切に願う」との意味の丁寧な敬語表現です。
