ビジネスにおいて人脈形成の重要性は言うまでもありません。
「さらなる親交を深めたく」も、それにまつわるフレーズの1つと言え、今回はこのフレーズについて学んでいきましょう。
「さらなる親交を深めたく」とは?
まず「さらなる」ですが、漢字も使うと「更なる」です。
意味としては「今以上の」や「一層の」という捉え方をされています。
しかし実はこの言葉、文語形容動詞「更なり」の連体形とされることもありますが、その場合の本来の意味は「当然だ」や「言うまでもない」というもので、「一層の」という意味合いはなく、「尚更」という意味合いに近い言葉です。
どうも、近年になって「一層の」という意味合いが付け加えられたようで、実際にワープロソフトで「さらなる」を変換した場合、「更なる」と変換されないことも多くあります。
ただ、現実には辞書の中にも「更なる」で「一層の」という紹介をされている場合もあり、誤った用法が定着しつつあるという理解をしておきましょう。
「親交」とは「親しい交わり」と書くように、「仲の良いこと」や「親しい付き合い」を意味します。
通常「親交を深める」で、「人間関係のつながりを強くする」や「人間関係を育む」という意味になります。
尚、最後の「深めたく」は、動詞「深める」の連用形「深め」に願望の助動詞「たい」の連用形「たく」が付いたものです。
「たい」が「たく」になっているのは、接続(助)詞抜きに読点で一度文章を区切ることができる「連用中止法」という技法を使うためです。
フレーズ全体としては、「より一層つながりを強くしたいと(思っていて)」という内容を、かしこまった表現で表しているわけです。
「さらなる親交を深めたく」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
このフレーズがビジネスで使われる場合は、人脈を強化するため、会食や接待に誘う際に用いられます。
裏に打算的な目的があっても、「あなたとの人間関係を育みたいと思っています」と言われて悪い気になる人はそうはいません。
つまり、相手を気分良くさせる目的のあるフレーズと言えるでしょう。
実際の使用例としては、「部長とさらなる親交を深めたく、ゴルフのコンペにご招待いたします」などと使われます。
「さらなる親交を深めたく」を使った例文
それでは、上記以外に考えられる実際の使用例を挙げてみましょう。
・『さらなる親交を深めたく、パワーランチにお誘いさせていただきたいと思います』
・『さらなる親交を深めたく、接待の場を設けさせていただきました』
「さらなる親交を深めたく」の類語による言いかえ
「さらなる」は既出の通り「(より)一層の」や「今以上の」で言いかえできます。
また、「親交を深める」というフレーズの部分は、「関係を強化する」や「親密度を高める」または「関係を育む」などとしても良いでしょう。
尚、「たく」の部分は、「たいと思い」や「たいと願い」などとして、願望と連用中止法の要素を表すことができます。
以上を踏まえると、「一層関係を強化したいと思い」や「親密度を高めたいと願い」という言いかえが可能でしょう。
まとめ
「さらなる親交を深めたく」は、ビジネスにおいて必要な人脈形成のために、接待などに誘うためのフレーズです。
「さらなる」の使用については、様々な考え方があるので、その点は留意しておきましょう。