上司や役員の部屋に入ったり、面接で会場に入ったりする際、「入室させていただきます」というフレーズを使うことがあります。
今回はこのフレーズについて解説してみましょう。
「入室させていただきます」とは?
まず「入室」ですが、文字通り「部屋に入ること」で問題はありません。
問題は「〜させていただきます」の部分です。
これは、自分の行為をへりくだらせる謙譲表現の1つであり、「〜させてもらう」という意味の特に強めの謙譲を表す構文です。
また、「相手もしくは第三者の許可を得て」、「自分のためにする行為」という2つの条件を同時に満たさないと使用できません。
今回のフレーズに当てはめると、「入室は部屋の持ち主の許可を得て、入室自体は自分のために(も)する」わけですから、「させていただく」は当然使用できます。
尚、「させていただく」は、丁寧表現の助動詞「ます」を付けるため、「いただく」は連用形「いただき」の形になっています。
以上のことから、このフレーズは、「部屋に入らせてもらいます」という意味で、強めの謙譲表現となっています。
「入室させていただきます」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
何らかの理由で、目上の人がいる部屋や目上の人の部屋に入室する際に、通常口頭で使用されます。
上司に部屋に呼ばれて入室する場合や、面接の際などに使われるものと考えてください。
「入室させていただきます」を使った例文
・『それでは入室させていただきます』
・『よろしければ入室させていただきます』
「入室させていただきます」の類語による言いかえ
「入室」については、「部屋に入る」という表現でシンプルに言いかえましょう
「部屋に上がる」は、「靴を脱いで入る」必要がある入室形態ですので、会社などでの「入室」には向かない表現です。
以上のことから、「部屋に入らせていただきます」という言いかえになります。
また、類語を使わずに言いかえる方法もあり得ます。
「失礼いたします」という表現自体に、「入室する際の挨拶」という意味合いがあるため、これを用いるのです。
まとめ
「入室させていただきます」とは、目上の人の部屋や目上の人がいる部屋に入る際に、挨拶として用いる謙譲表現です。