ここでは「向寒の折」の使い方やその際の注意点、言い替え表現などを詳しく見ていきます。
「向寒の折」とは?
「向寒の折」は、11月の中旬から下旬にかけて用いられる季節の挨拶表現です。
これから冬に向かうという意味になるので、そのような時期にちょうど合っている表現で、文章でその冒頭、または文末の締めになる挨拶文に用いられます。
12月に入ると別の表現の方が適しているため、無理にこちらを使うことはなく、それまでの間に使うと覚えておくといいでしょう。
「こうかんのおり」と発音しますが、表現的に口語で用いることはないため、この読みは漢字への変換を行うために覚えておく程度で構いません。
「向寒の折」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
この「向寒の折」は、文字通り、寒さに向う中に使う表現となっており、冒頭で用いる場合には、この後にそのような中、そちらはどんな具合でしょうかといったご機嫌伺いになる文章を作ります。
文末の挨拶文にする時は、そんな時期なのでお身体を気遣ってくださいという意味になるそれにして用いられ、どちらも定型的な使い方になります。
少し形を変えて、「向寒の候」としても構わず、こちらにしても意味は一緒ですが、冒頭の挨拶文向けになるので、文末の締めに使う時には元の「向寒の折」とする方が適しています。
「向寒の折」を使った例文
・『向寒の折、いかがお過ごしのことと存じます』
・『向寒の折、お身体にはお気をつけてお過ごしください』
「向寒の折」の類語や言い替え
・『向寒のみぎり』
先に「向寒の候」という言い替え表現を挙げましたが、こちらも同様に使うことができます。
その「向寒の候」は冒頭の挨拶文向けになりますが、この表現は逆に文末の締めで用いるのに向いています。
よって、「向寒のみぎり、ご自愛くださいますようお願い申し上げます」などとそちらの方の言い替えによく使われています。
まとめ
「向寒の折」は、11月の中旬から下旬にかけて使われている、挨拶文に用いるための表現です。
文章の冒頭、もしくは文末の締めで使われており、前者の場合は「向寒の候」、後者では「向寒のみぎり」とする用い方もよく見られます。
いずれの形も口語には向いておらず、文章専用となっています。