この記事では、ビジネスシーンでしばしば使われる慣用句の「喫緊の課題」について、その意味や使い方や言い換え等を分かりやすく説明します。
「喫緊の課題」とは?意味
「喫緊」の読みは、「きっきん」で、「差し迫って重要なこと」を意味する言葉です。
「喫」の漢字には「身に受けるや、こうむる」との意味があり、また「緊」には「物事が差し迫っている」との意味があり、「喫緊」の熟語は先の意味となるのです。
従って、「喫緊の課題」とは、「差し迫って重要な課題や問題のこと」の意味になります。
ちなみに、「喫緊」の熟語は「喫緊の課題」として慣用的に使われることが多く、他の表現で使われることは余り無いと言えるほどです。
「喫緊の課題」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
この言葉は、少し改まった表現で、政治家の答弁の他、役所の文書、さらにビジネスの改まった会議等で使われる表現と言えます。
普段の生活の中で使われることは少なく、一般的な表現では「差し迫った大変な課題や問題」等と意味を説明する表現に言い換えて使われます。
また、「喫緊」に似た言葉として「緊急」があります。
いずれも急を要すると言う点では同じですが、「喫緊」は「差し迫っている状況」のニュアンスであり、「緊急」は「すでに起こりつつあり、即座に対応する必要がある状況」とのニュアンスの違いがあります。
すなわち、「喫緊」よりも「緊急」の方が、急を要するとのことになります。
従って、「喫緊の課題」は、即刻手を打つ必要性はないが、時間の経過とともに課題が大きくなり、対策を講じないと間違いなく大問題となることを指して使われます。
例えば、世界的な「喫緊の課題」としては地球温暖化対策等があり、また日本の「喫緊の課題」としては少子高齢化等が挙げられます。
さらに、ビジネスでは、社会の変化に対応して会社の方向性を転換したり、海外進出をするといった中期的に対策すべき大きな課題に対して、この慣用句が使われます。
「喫緊の課題」を使った例文
・『日本の喫緊の課題は、少子高齢化です』
・『当市においては、老朽化したゴミ焼却炉の建て替えが喫緊の課題です』
・『日本の市場が縮小する中、会社を維持発展させるためには海外への進出が、喫緊の課題と言えます』
「喫緊の課題」の類語や言い換え
「喫緊」の類語としては「差し迫った」や「のっぴきならぬ」や「せっぱつまった」などが挙げられます。
また、「課題」の類語としては「問題」が挙げられます。
従って、「喫緊の課題」は、これらを組み合わせて「差し迫った課題」や「差し迫った問題」や「せっぱつまった課題」や「のっぴくならぬ問題」等と言い換えることが出来ます。
まとめ
「喫緊の課題」とは、「差し迫って重要な課題や問題のこと」を意味する慣用句です。
「緊急」よりは「喫緊」の方が、少し時間的な余裕があると言えますが、中期的な対策を講じなければ、非常に大きな問題を生じる場合に使われます。