よく耳にするものの、使い方が分からない敬語があるものです。
「打診がありました」の正しい使用法を見ていきましょう。
「打診がありました」とは?
打診とは、ある人に働きかけること。
もともとお医者さんが聴診器をあてることを「打診」といい、その様子からビジネスシーンでも用いられるようになりました。
異動や昇進の人事がある時、あるいは大きな仕事を任される時に「やってみない」と内々に相談することをいいます。
この場合は「打診がありました」と伝えているので、上司や得意先から何らかの働きかけがあったことを、第三者に伝えている状況をあらわしています。
「打診がありました」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
「打診」は契約や承諾を取り付ける前に「このような話が出ているのですが」と話を振って、相手の反応を見ることをいいます。
海外転勤や支社の異動が発表される前に、上司が部下を呼んで話をする形態が「打診」です。
加えて得意先企業が、仮の構想案を抱いて「このようなご提案があるのですが」と持ち掛ける際にも使われています。
一方で「打診」は上司と部下など、社内スタッフ同士の会話で用いる、くだけた言い方です。
提案を持ちかけてきた上役や社外の方に「この前の打診についてですが」とストレートな言い方はしないので注意しておきましょう。
「ご提案」や「お話」「ご依頼」に替えながら、適切な使い方を心がけていきましょう。
「打診がありました」を使った例文
・『A社から湾岸エリア開発について、打診がありました』
・『取引先からB社との、タイアップの打診がありました』
「打診がありました」の類語や言い替え
似ている言い方に「内示が出る」という言い方もあります。
内示とは人事異動にまつわる重要事項を、その人本人に伝えることをいいます。
ただこれらの内容は機密事項のため正式に発表されるまで、口外しないことが多くの企業で義務付けられています。
「内示が出ました」と迂闊に取引先の担当者に話すことのないよう気を付けておきましょう。
また言い替えの表現に「〇〇の件で、ご提案がありました」や「まだ本決まりではありませんが、〇〇社からご依頼がありました」が挙げられます。
まとめ
「打診がありました」の使い方を見てきました。
正しい解釈を知って、敬語の達人を目指していきましょう。