今回は「説明を割愛します」という表現について解説していきます。
正しい言い回しなのでしょうか?詳しく見てみましょう。
「説明を割愛します」とは?
「説明」は、「その対象となるものを言葉や文章でよく分かるように述べること」という意味です。
「割愛」は、「仕方なく省くこと」という意味の言葉です。
元は仏教用語で、「愛着を断ち切る」という意味でした。
転じて本当はしたくないのだが、時間やスペースがないなどの理由でやむを得ず省略するということを表す言葉として使われています。
「説明を割愛します」は、もっと詳しく説明をしたい、もしくはしなければならない状況ではあるのだが、何らかの理由で省略します、ということを伝えるフレーズとなります。
「説明を割愛します」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
では、「説明を割愛します」はどのように使うのが正しいのでしょうか。
「説明を割愛します」は、ビジネスシーンではプレゼンなど、何か発表する場において時間が限られているなどの理由から、本来はもっと説明をしたいところではあるのだが説明を省略します、という気持ちを聴いている人に伝えるために使われます。
「割愛」には、やむを得ず、残念ながら省くという意味が含まれているため、ただ「省きます」ということを伝えるだけではありません。
その場合は「省略」を使用します。
「割愛」と「省略」の使い分けをできるようにしておきましょう。
「説明を割愛します」は、プレゼンなど「時間の限りがある」人と人の直接的な口頭でのやりとりの場面で主に使用され、メールや文書ではあまり使用されません。
「説明を割愛します」を使用した例文
『次ページの説明をここでは割愛しますので、ご自身で確認していただくようお願いします』
『時間の都合でこの部分の説明を割愛します』
『紙面の都合で説明を割愛します』
「説明を割愛します」の類語や言い替え
「割愛」は、残念ながらという意味を含んでいるため、全く同じ意味の語句はありませんが、単純に「省く」という意味の「省略」、「除外」「スキップ」「カット」などの類語があります。
これらを使用する場合は、「残念ですが、時間の都合により説明を省略します」
のように「割愛」が持っている「残念ながら」「やむを得ず」というニュアンスを含んだ言葉を付け足す必要があります。
まとめ
「説明を割愛します」は、本来は省きたくないが、仕方なく説明を省略しなければならない場合に使う言い回しです。
プレゼンなど、時間が限られている場でよく使用されます。
「省略」と「割愛」の違いは、「惜しみながら、残念ながら」という意味が含まれているかどうかにあります。