多数の人が集まるような場所で使われがちなのが「粗餐(そさん)」です。
粗餐と言っても豪勢なこともありますが、この言葉の正しい意味や使い方などについて、詳しく確かめてみましょう。
「粗餐」とは?
粗末な食事を表しており、集まりなどで人にお勧めする飲食物についてへりくだって言う言葉です。
「粗餐」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
世の中には結婚式、四十九日などの法事、ビジネスの会合など、人が招待されて食事が提供されるような機会は様々です。
そのような場面を行う当事者などが、招待客に対して「粗餐」を用いることになります。
割と豪勢な食事であっても、粗餐という表現を使うことでへりくだった態度を示すことになるでしょう。
人前での口頭の挨拶で「粗餐ではございますが」などと伝えることもあれば、招待状に記した文章で「粗餐を差し上げたいと存じます」など、食事を用意していることを告げる使い方も可能です。
粗餐を用いる案内状では、時候の挨拶、何の目的か、開催日時や場所、お願いの言葉などを併記する必要があります。
また「素餐」と書くと、功労や功績がないのにいたずらに金銭や物を得る意味が付くので、間違わないよう注意が必要です。
「粗餐」を使った例文
・『感謝の気持ちから心ばかりの粗餐をご用意いたしました』
・『粗餐ではございますがお楽しみいただければ幸いです』
「粗餐」の類語や言い替え
「粗飯」は、人に勧める食事について粗末であると謙遜して表しているので、粗餐と同様に使うことができます。
「麁飯(そはん)」についても、人に勧める食事をへりくだって言う時の言葉です。
「粗酒粗餐」は、客人をもてなす時に出される粗末な酒と食事という意味がある四字熟語です。
「粗末な食事」は、大したことのない料理であると謙遜した言い方ですが、粗餐や粗飯などのように正式な場面では使われない表現となります。
まとめ
粗末な食事であると謙遜した意味を持っているのが「粗餐」なのでした。
これは食事を提供するへりくだった表現で、法事などの重要な集まりの中で口頭や案内状に用いることができます。
書く場合には「素餐」と間違わない要注意が必要です。
言い換えをする場合には、「粗飯」や「粗酒粗餐」などを選んでみるのが適切でしょう。